我がベイスターズは、7月14日の試合終了後現在で、33勝48敗、勝率4割7厘、6位と本来のポジションに戻ってしまった。もはやクライマックスシリーズに絡むのも絶望というのが実情だろう。

 話は変わるが、最近、DeNAの創業者の南場智子さんと会ってお話しをする機会があった。実は南場さんがDeNAを立ち上げて、まだあまり時間がたっていないころ、私は仕事でDeNAのお手伝いをした。DeNAが最初に立ち上げたビッダーズというオークションサイトの宣伝にオタク代表のようなかたちで関わっていたのだ。もちろん当時は、DeNAがベイスターズのオーナーになるということなど想像もしないくらいの零細企業だった。

 そんな縁があったので、久しぶりにお話しをしましょうということになって、お昼にお茶を飲みながら話をした。昔話もさることながら、私の最大の関心事はベイスターズに関することだ。最初に私が力説したのは、大鑑砲戦主義ではダメで、投手陣を充実させないと野球にならないということだった。南場さんもそのことは分かっていた。なぜ、大砲ばかりにお金をかけたのですかと聞くと、意外な答えが返ってきた。「ジャイアンツに勝ちたかったんだと思う」。

 確かに、大砲を揃えれば、その破壊力でジャイアンツを破ることができる。ただし、それは打線が爆発したときだけだ。平均的に勝とうと思ったら、やはりきちんと抑えられる投手が必要だ。現に、今シーズン絶好調の楽天の勝ち越しは、すべて田中マー君が稼ぎだしたものなのだ。

 ただ、一つだけ安心したことがある。南場さんを初めとして、DeNAの人たちは、けっしてベイスターズを金儲けの手段として考えているのではなく、野球が大好きなのだということだ。ベイスターズの経営には、いろいろおかしなことが起きているが、それは悪意があるのではなく、頭が悪いのでもなく、単なる勉強不足からきていることなのだ。

 だから、2年、3年と時間が経過していくなかで、ベイスターズは、よくなっていくと思う。テレビ神奈川に対して冷たい態度をとり続けていることも、いずれ地元の大切さを理解してくれば、よくなってくると思う。

 ベイスターズの今シーズンは終わってしまったが、消化試合もそれなりに楽しい。そしてシーズンオフにどのような投手陣強化策を講じてくれるのか、楽しみだ。