今回のコンフェデレーションズカップで日本代表が出すべきだった結果は、ブラジル戦「0−2」、イタリア戦「2−2」、メキシコ戦「1−1」、という結果だったと思う。これは、勝点計算が云々とか、理想としてはこうだとか、そういう事ではなく、1つ1つの試合を個人的に判断して、おそらくこのスコアでの敗戦や引き分けだったら順当な結果だったのではないか、ある程度は多くの人がその内容と結果に満足できたのではないか、という事。0勝2分1敗という成績では、グループステージ突破は果たせないし、1勝もできなかった、という結果にはなるが、しかし、今回の3つの相手国の実力や調子を考えた場合には、前述したような結果だったならば、善戦した、健闘した、という事が明確に言えたと思う。


W杯アジア最終予選での疲労が蓄積し、アジアレベルから脱アジアレベルへの感覚の切り替えが難しく、世界最強クラスのブラジルとブラジルのホームで戦った初戦であった事を考えれば、もう1点だけでも失点をせずに試合を終えられていたら及第点だったように思う。特には3失点目だが、しかし、1失点目でも2失点目でも良いから、どれか1つでも良い守備対応で失点を防いでいたら、それで善戦であったと評価できたように思う。ブラジルに対し、メキシコは「0−2」、イタリアは「2−4」、という結果で負けたのであるから、メキシコと同じ「0−2」というスコアでの負けであれば、やはりその結果は及第点だったと言えたのではないかと思う。

イタリア戦は、やはり2点のリードを奪えたのであるから、最低でも引き分けという結果を出さなければならなかったと思う。そして、ブラジルでもイタリア相手に2失点した事を考えると、それと同じ2失点で試合を終えられていたら及第点だったように思う。ハッキリ言って、イタリアの3点目、日本の3点目、というのは、両チームの守備が酷かった事を象徴するような追加点で、日本代表はやはりスコア「2−0」から3点目や4点目を奪いに行くのではなく、そこからスコア「2−1」や「2−2」という結果で試合を終わらせる事を最優先にし、あわよくばスコア「3−1」や「3−2」という結果で試合を終わらせる、という事を結果として出さなければならなかったと思う。つまり、最低限の結果としてもスコア「2−2」の結果で終わらせなければならなかった、という事で、やはりそれができていれば及第点だったと言えたのではないかと思う。もちろんそれなら、善戦した、という評価でも良かったと思う。

そして、最後のメキシコ戦は、お互いのチームの現在の実力を考えれば、スコア「1−1」という結果だったら、やはり日本は善戦したと言えたのではないだろうか。現在の日本代表の個々の選手の守備力を考えれば、もし100%に近い能力を発揮できたとしても、メキシコの攻撃陣に無失点というのは難しかったと思う。イタリアとは違い、メキシコはコンディション不良の状態ではなかったし、更には、メキシコはきちんと日本対策をしてきたし、という事も考えれば、やはり無失点というのは難しかったように思う。そして、同じような理由から、やはり現在の日本代表の個々の選手の攻撃力を考えれば、メキシコから2つ以上の得点を奪う事は難しかったのではないかと思う。従って、もし「1−1」という結果で日本がメキシコ戦を引き分けにできていたら、やはりそれは及第点だったと言えたのではないだろうか。

要するに、初戦のブラジル戦というのは、条件的な、ブラジルの有利さ、日本の不利さ、そして、現在の実力差、という事を考えた場合には、いかにして少ない失点(得失点差)で負けるのか、という事が問われていた試合であり、これはW杯本番でもそうなってくる可能性が高い。南アフリカW杯では、オランダに「0−1」という最小失点で負けられた事が大きかった。つまり、W杯で同グループに欧州や南米のトップクラスの強豪国が入ってきた場合には、そういう国に対しては、引き分けならば最高の結果であり、負けても失点(得失点差)が少なければ良い結果だと言える、という事。しかもそれを、もし条件的に日本が不利であったとしても、そうできるようにする、という事が必要で、まず日本が現在の段階で目指すべき到達点はそこである、という事。