正しき評価と正しき考え方が日本代表を正しき進歩の道へと導く。ザックジャパンのコンフェデレーションズカップを総括 【1】
イタリア戦は、相手の本来の実力を考えれば、ブラジル戦と同じ考え方にはなるのだが、しかし、今回のイタリアは、そこまで強さを発揮できていないので、少なくともグループステージではそうだったので、更には、ホーム&アウェイという条件では同じ、むしろ、気候条件的には日本の方に慣れがあって有利があった、という事も言えるので、イタリアはやはりイタリアであっても、最低でも引き分けという結果は出さなければならなかった、という事。つまり、そういうイタリアの状態であった事を考えれば、3点を奪ったからとか、スコア「2−3」と逆転されてから「3−3」にしたからとか、内容的には上回っていたからとか、それをもって善戦したとは言えない、という事。きちんと結果として、最低でも引き分けで終わらせていなければ、やはり善戦したという事にはならない、という事。
今回のコンフェデレーションズカップでは、まだ日本代表が、運に左右されずに、実力だけで世界の強豪国に勝つ事はできない、という事が明確になったと思う。その差は、一言で述べてしまえば、「個の力の差」、という事なのだが、その「個の力の差」という事を細かく言えば、スタミナのコントロール、1対1での競り合いの強さや駆け引きの巧さ。そして、攻めるべき時には攻め、守るべき時には守る、という試合運びの判断力と実行力。更には、決定力、ドリブルの力、長距離のパスの精度、空中戦、後一歩を寄せられる読みの鋭さやパワー、集中力、個々の選手の戦術理解度。という多くの要素であり、残念ながらそこは組織力では無いし、また、組織力でそこを補えたとしても、それは微々たるものである、という事。
重要な事は、組織力でカバーしようとしても根本的な問題の解決にはならない、という考え方を持つ事で、そもそも組織力というのは何か、という事を考える事で、基本的には数的同数で戦う、という事を考えれば、やはり個々の選手の能力の高い方が圧倒的に有利であるし、また、組織というのは、たった1人の個の悪さや弱さによって崩壊を招く事もある。従って、個の力が足りないから組織力で、という考え方を持つのではなく、個の力の高さで組織力を高める、という考え方を持つ方が健全であり建設的のではないだろうか。そして、「個の力の重要さ」、という事が、もし今回のコンフェデレーションズカップをきっかけとして日本のサッカーのスタンダードな考え方になった場合には、今回の3連敗は良き進歩の糧となった、という事が言えると思う。
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