「健康に悪い」ニュースが人を病気にするノセボ効果 独研究結果

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「携帯を使いすぎると脳に悪影響」や「運動不足はメタボのへの近道」など、メディアでは「○○をしたら」こんなに健康に「悪影響」が及びますよとの研究結果が頻繁に伝えられている。

ドイツ・マインツ大学のDr.ミヒャエル・ヴィットホフトによると、こういったニュースを読むことが、本当は何ら身体的負担がないにもかかわらず、病気のような気分にさせてしまう、といいます。「メディアは、もう少しニュースがもたらす可能な影響について考慮してほしいです」とヴィットホフト氏。

Dr. ヴィットホフトは、ニュースとそれがもたらす心理的影響について次のような実験を行いました。147人の被験者を2グループに分け、1つのグループには「携帯や無線LANが及ぼす健康リスク」についてのビデオを見せます。もう一つのグループはテーマとは関係ないマテリアルビデオを見せました。

その後、被験者には15分間無線LANシグナルを浴びてもらうと説明します。実際は、何も電波は流れないのですが、信じ込ませるために、アンテナ付きのヘルメットをかぶってもらいました。その後、気分の変化があったかどうか回答してもらいました。

すると、半分以上の参加者(54%)に、不安、落ち着きがない、集中力の低下、体がかゆくなるなどの症状が現れたそうです。中には実験を中断してしまった人もいたということ。

これをノセボ効果と言います。例えば、全く効果のない薬でも思い込みで副作用が出てしまう、といった症状です。

実験前に、電波による健康被害についてのビデオを見たグループのリアクションは、もう1つのグループより明らかに高く、不安度高かったということです。

研究結果はウソではありませんが、あまり情報に振り回され、本当に気分や健康を損なわないように気をつけてくださいね!

※当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。


参考:Nocebo-Effekt: Krank durch schlechte Nachrichten
http://www.netdoktor.de/News/Nocebo-Effekt-Krank-durch-s-1137760.html