韓国・檀国大学医学部イム・ミョンホ教授チーム(精神保健省)は8日、2011年に国立法務病院に収監された性犯罪者50人を調査した結果、94%が精神的疾患を患っており、また3人中2人は性倒錯(せいとうさく)であるという研究結果を明らかにした。複数の韓国メディアが報じた。

 韓国メディアは、「性犯罪者の3人のうち2人は性倒錯との診断」、「性暴行犯の94%が精神疾患、30%は精神病質」などの見出しで伝えた。

 性犯罪者50人を面接調査したところ、94%が精神的疾患を患っており、性倒錯と診断されたケースが64%(32人)で最も多く、大うつ病性障害が32%(16人)、アルコール使用障害が24%(12人)、衝動コントロール障害18%(9人)、統合失調症12%(6人)などとなった。

 性倒錯は、性欲が質的に異常なことをいう。異常な性対象や性目標としては、例えば、病的自慰や幼児性愛、老人を対象とする老人性愛、死体を対象とする屍体性愛、動物を対象とする動物性愛、親子間の近親相姦などが挙げられる。

 また32%(16人)は反社会的人格障害(サイコパス)だったという。 サイコパスは罪悪感を感じていないのが最大の特徴で、治療しなければ殺人などの大規模な犯罪を起こす可能性が高いとされている。

 イム教授は「性犯罪者に対する電子足輪着用や身元公開、化学的去勢などの積極的な対策が出ているが、根本的な解決策にはならない。性的加害者の持つわい曲された性意識や精神病理を治療しない限り、再発の可能性が高い」と指摘したという。

 今回の調査結果は、性犯罪に対する懲罰的な解決の前に、精神的な分析に基づいた根本的な防止策を講ずる契機になると期待されている。(編集担当:李信恵・山口幸治)