腰痛持ちの人が楽になる姿勢








腰が痛むとき、いすから立ち上がった後や洗面所で顔を洗おうとしたときなど、ひざを軽く曲げると、腰の痛みが和らいだり、腰痛への恐怖感が薄れたりする、といったことがあります。経験したことのある人も多いのではないでしょうか。



腰の負担を減らして、腰痛を防ぎたい時は、直立姿勢で立ち作業をするのではなく、軽くひざを曲げると楽になる、ということをご存じの方は多いと思います。ですが、忙しい毎日では、ひざを曲げて腰を守ることを忘れがちだったり、面倒に思えてひざを曲げずにやり過ごしている人も少なくないようです。そこで、ぎっくり腰に!…という話も聞きます。



背骨にはもともとカーブがあるのですが、前かがみの姿勢では、背骨のカーブと骨盤の角度が変化して、腰背部にある筋肉に負担がかかります。そこで、前かがみ姿勢をとるときに、ひざを軽く曲げてみてはどうでしょう。それだけで、腰部の背骨にあるカーブが減少や骨盤が後ろに傾いてしまう状態を防ぐのです。



すると、おなかに力が入ることで姿勢を楽に維持しやすくなり、前傾姿勢で作業をする際の腰背部の筋肉に余計な負担がかかることの予防ともなるのです。なるべく背骨の自然なカーブを守り、腰への負担を減らしながら、生活したいものですね。



ひざを曲げることを忘れがちな人は…

外出先では難しいかもしれませんが、洗面所や台所など、立ち姿勢が増える場所に、足を乗せる台を用意しておきましょう。両ひざを曲げることは忘れてしまいがちですが、台に片足を乗せて、同様の効果を狙うようにします。15センチ前後の台が置いてあれば、片足を乗せて、腰の負担を軽減させることを忘れることが少なくなるのではないでしょうか。





(文/檜垣暁子)



■著者プロフィール



檜垣 暁子(ひがき あきこ)

オールアバウト 肩こり・腰痛ガイド

http://allabout.co.jp/gm/gp/51/

カイロプラクティック理学士・日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員。現在は、横浜市に治療室を開院し、日々、肩こりや腰痛を始めとする不調を訴える患者さんの診療に当たっている。