ユヴェントスを欧州の頂点へ連れていくために、前回のチャンピオンズリーグ(CL)の勝者を…。ユーヴェがますます上海申花FWディディエ・ドログバを追っている。同選手は1月に中国を去る決意をますます固めているようだ。

中国がシーズンオフのため、アフリカ・ネーションズカップまでチェルシーで練習する許可を得ている。それからどうなるかは、分からない。ロマン・アブラモビッチがその後も引き止めるかもしれない。だが、ラファエル・ベニテス監督のチームに戻るのは同じことではないだろう。それに、チェルシーはヨーロッパリーグへと回っている…。

ユーヴェのジュゼッペ・マロッタGM(ゼネラルマネジャー)は、ドログバの獲得に向けて動いている。ユーヴェのプロジェクトはとても野心的だ。アスレティック・ビルバオFWフェルナンド・ジョレンテをすぐに獲得する可能性は低い。ビルバオの抵抗を崩すのは難しいだろう。

そこで、ユヴェントスは驚きのダブル補強に動いているのだ。CLに向け、そしてリーグ戦でのスパートに向け、すぐにドログバを獲得するというものだ。だが、ドログバは6月で去るわけではない。ユーヴェはドログバ側に2014年までの契約を提示した。一方で、ドログバは2015年まで、つまり37歳までの契約を求めている。

ユヴェントスは以前から“トッププレーヤー”探しを騒がれているが、大きな結果は出ていない。だが、今回は魅力的なダブル獲得が解決策となるかもしれないのだ。しかも、大きな支出をすることなく、である。ジョレンテの場合は年俸400万ユーロ(約4億円)にボーナスの4年契約。ドログバにも似たような金額を用意している。ドログバは慎重にオファーを検討しているところだ。

ドログバにとっては、堂々と欧州へ戻り、熱狂的な環境に身を置く機会となる。昨季のCLでチェルシーを真にけん引したのは彼だった。中国での日々でも、その輝きを失っていない。上海申花との金銭的問題だけでなく、チームのテクニカルな力も関係し、それが彼の移籍への意欲となっている。

ドログバに関して一つ問題なのは、コートジボワール代表のリーダーとして、アフリカ・ネーションズカップに出場することだ。期間は1月19日から2月10日まで。CL決勝トーナメント1回戦は2月12日と20日だ。つまり、ファーストレグでドログバを欠くリスクがあるということである。だが、これは負うべきリスクだ。

いずれにしても、話し合いは続いている。マロッタGMは夏からすでに動いていた。そのときは、ドログバが上海申花との契約に迫っていたため、条件がそろっていなかった。だが、今はかなり変わっている。しかも、ユヴェントスにとって有利な状況に。そこでユーヴェは、この“試合”を重視することに決めたのだ。