■「日本人にはないスピード」という武器
アジア予選では先発を外れることも多く、起用されても左サイドで「絶対的エース」にはなりきれなかった永井謙佑だが、ロンドン五輪本大会での活躍は周知の通り。その永井は、高卒の18歳時に「速い選手」としての評価は受けていたものの、プロのスカウトが獲得したい「逸材」としては見られていなかった。本人も大学入学時点では、「プロになれるとさえ思っていなかった」状況だったが、高校時代から彼の才能を見抜き、「お前は日本の宝だ、日本人が持っていない要素をたくさん持っている」とストレートに伝えていたのが恩師でもある福岡大の乾眞寛監督だ。

永井自身は「何でオレが?」とポカーンとしていたそうだが、総合的なうまさやレベルではなく、「日本人にはないスピード」というこの武器については特に「世界に通用する武器になる」と確信していた乾監督。その彼が長い年月をかけて確立した“遅咲きの法則”に則った指導で大学時代に永井の才能を開花させ、それが彼のロンドン五輪での大活躍を演出した。

■ロンドン五輪での活躍は必然
だからこそ、永井のロンドン五輪での活躍は偶然ではなく必然であり、福岡大の乾監督に仕掛けられたもの。大学サッカー界において特に無名の選手の発掘と育成に定評のある乾監督だが、日頃から才能を持つ選手に対して画一的な一斉指導ではない“特別扱い”の指導を実践している点は興味深い。彼の持論は、「一般的な大学生とプロを目指す大学生いうのは、同じ大学の中にいても違う」といもの。プロに行くような選手というのは、同じチームの中にいても違う努力をしているものであり、福岡大では周囲の選手が「なぜあの選手はプロに行けるのか」ということが肌感覚で理解されている。

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■著者プロフィール



小澤 一郎

1977年、京都市生まれ。サッカージャーナリスト。スペイン在住歴5年を経て、2010年3月に帰国。スポナビ、footballista、サッカークリニック、サッカー批評、サッカー小僧、ジュニアサッカーを応援しよう!などで執筆中。

著書に『スペインサッカーの神髄』(サッカー小僧新書)がある。また、「まぐまぐ」より、メルマガ『小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」』を配信中。



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