韓国の4月の総選挙で、与党セヌリ党からの出馬が注目されている東亜大学教授の文大成(ムン・デソン)氏の博士論文や修士論文に、盗作の疑惑が持ち上がっている。複数の韓国メディアが相次いで報じた。

 文氏は2004年のアテネ五輪テコンドー種目で金メダルを獲得し、08年には国際オリンピック委員会(IOC)の選手委員に選出された。現在は東亜大学テコンドー学科の教授を務めており、与党の目玉候補として総選挙への出馬を表明した。

 問題の博士論文は内容が酷似しており、13ページから21ページまではほぼ同様な内容であるだけではなく、誤字の部分まで合致しており、全体の20%に上る内容がほかの論文からの丸移しの可能性が高い。文氏は引用先を明記していない「ミス」を認めつつも盗作ではないと主張した。

 ただ、論文の盗作疑惑は博士論文にとどまらなかった。ネットユーザーの暴露によると修士論文も盗作した可能性が極めて高く、今まで執筆した論文5本とも疑惑の可能性があるという。

 盗作疑惑を受け、韓国では野党を含む各界から出馬辞退を求める声が殺到しており、学界からも批判が相次ぎ「盗作は確実。もはや盗作を超えてコピー論文だ」との声もある。ネット上でも文氏に対して厳しく非難するとともに皮肉たっぷりのあだ名をつけられるなど、余波が続いている。(編集担当:金志秀)