『トゥルーブラッド』(c)2012 Home Box Office, Inc

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 大阪の柴島高校が、大人気マンガの「ONE PIECE(ワンピース)」を人権教育の授業で使ったことが話題となった。生まれつき鼻が青いトナカイのチョッパーが、不思議な実を食べて「トナカイ人間」になるが、トナカイ仲間や人間から迫害を受ける話をを材として、人種差別やネットいじめについて議論を交わす授業が行われた。

 人種差別は根深く、今でも大なり小なり現実の世界で起こっている。根絶するために、マンガやドラマなど身近なものに置き換えて考えてみるのは、理解を深められて良いことかも知れない。海外ドラマの『トゥルーブラッド』もその点において、深く学べる物語だ。

 『トゥルーブラッド』は、人間とヴァンパイアが共存する世界を描いている。日本人科学者の開発した人工血液のおかげで、ヴァンパイアたちは人間を襲わなくても生きられるようになる。しかし、人間たちはかつての恐怖からか、彼らに偏見を持ち差別的な扱いをしていた。

 そんな中、他人の心を読む特殊能力を持つ女性スーキーと、100年以上も生きながらえるヴァンパイアのビルが出会う。自分の素直な気持ちを信じてビルへの愛情を深めていくスーキー。一方、なかなか社会に受け入れられず孤独を感じていたビルもまた、正直で真っすぐな彼女に特別なものを感じるようになる。だが、町の若い女性が相次いで殺されるという事件が発生。街の住人たちは、ヴァンパイアが犯人ではないかと疑惑の目を持つようになる。

 スーキーとビルの愛が成就するかどうかも見どころだが、それ以上に、「人間」と「ヴァンパイア」という別な種族が分かり合えるかどうかということに注目したい。人間は、愛や憎しみ、欲望と嫌悪、憧れと嫉妬など複雑な感情を持つ。それ故に起こる、暴力や貧困、差別、ドラッグ中毒、宗教カルトなどの社会問題についてもこのドラマでは語られる。

 2008年9月から全米で放送が始まり、翌年発表のゴールデン・グローブ賞ではドラマ・シリーズ主演女優賞をアンナ・パキンが受賞。オンデマンドを含む視聴者が、780万人を獲得し、放送局のHBOにとっては『SEX AND THE CITY』『ザ・ソプラノズ』以来の大ヒットとなった。

 そんな『トゥルーブラッド』シーズン3が、日本初上陸。シーズン1と2の一挙放送は4月2日から、シーズン3は5月12日からCS放送女性チャンネル♪LaLa TVにて開始される。また、ワーナーホームビデオよりDVDの発売も決定している。

 大胆な恋愛ドラマとして、スリリングなサスペンスとして、そして、深く考えさせれる社会派ドラマとして、様々な角度から楽しむことができるだろう。

トゥルーブラッド True Blood|海外ドラマ|LaLa TV [ララ・ティービー]

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