広東省仏山市の病院で先日、産婦人科の看護師が生まれたばかりの男の子を死産と勘違いしてゴミ袋に入れるという事件が起きたが、家族には女の子だったと嘘(うそ)をついていたことが分かった。海外メディアは、看護師が家族の人に嘘をついたのは、死産の苦しみを少しでも軽減するためだったと伝えたが、驚愕(きょうがく)の事件に海外メディアの注目が集まっている。4日付で環球時報が伝えた。

 妊娠8カ月の女性が腹痛と出血のために病院を訪れ、赤子を出産したが、看護師は赤子の皮膚が紫色になっていて呼吸もなく泣かなかったため、死産と勘違いしたという。その後、赤子をビニール袋に入れてトイレに置いておいたそうだ。幸い、叔母がもう一度検査するよう求めた結果、赤子はまだ生きていたことが分かり、しかも男の子だったことも分かったという。

 叔母によれば、「袋を開けた時、赤ちゃんの手足が動くのが見え、おなかも起伏していた。そして口は泡だらけだった」と述べている。その後、赤子は緊急処置を受け元気になったという。

 フランス通信社は4日、看護師が家族に対して女の子だったと嘘をついたのは、死産による苦しみを少しでも軽減するためだったと分析した。中国では、子どもは1人しか産めず、男の子の方が女の子よりも貴重がられるため、多くの中国人は男の子の跡継ぎが生まれることを希望しているとも紹介している。

 ニュージーランドのメディアは、「捨てられた赤ちゃんが生き返る」の見出しで、神が創造した命は、神の許しなくして滅ぼしてはならず、4人の医療看護師が生きた赤ちゃんを死んでいると誤診し捨てたというのは、驚くべきことだと報じている。

 英国BBCもこのニュースの続きを紹介し、今のところこの男の子は治療を受け、症状は安定していると報道。両親は病院に対して賠償を求める訴えを起こしているという。仏山市衛生部の関係者は、この病院の産婦人科の責任者と、出産時の当直医や看護師全員を停職処分にしたことを明らかにしている。BBCの記者がその病院をインタビューしようとしたところ、拒否された。(編集担当:及川源十郎)