岡本太郎の自画像など初公開作品展示「もうひとりの太郎」

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 岡本太郎記念館が2011年6月29日から10月23日までの期間、岡本太郎 生誕100年企画展「もうひとりの太郎」を開催する。今まで存在しないとされてきた岡本太郎の自画像や妻・岡本敏子の肖像画など、初公開作品を中心とした写実画約40点が初めて一堂に会す。

岡本太郎の初公開作品も、「もうひとりの太郎」 の画像を拡大

 「もうひとりの太郎」では、岡本太郎の自画像や岡本敏子の肖像画などの初公開作品に加え、新聞や雑誌のために描いた挿絵の原画や下絵など貴重な写実画を展示。今まで知られていなかった"もうひとりの岡本太郎"を垣間見ることができる。抽象的なイメージが強い岡本太郎の絵画は、特殊な場合を除いて写実画は存在しないとされてた。しかし、昨年12月に実施した岡本太郎記念館の資料調査で岡本太郎の自画像や岡本敏子を描いた肖像画をはじめとする約40点の写実画を発見し、今回の展示開催で初公開することになった。

 岡本太郎記念館 館長の平野暁臣は、「抽象度の高い造形と激しい原色の色使い。裸婦もなければ静物もない。岡本太郎は写実的な絵は描かなかった。それが岡本絵画に対する一般的なイメージだろう。戦時中や親族知人のデスマスクなど、特殊なケースを除いて太郎に写実画は存在しないと考えていた。実際、敏子も「岡本太郎に自画像はない」と言っていたのだ。ところが、昨年、目を見張るデッサンがひょっこり出てきた。明らかに上野毛時代の太郎と敏子だ。敏子さえ忘れていた60年前の、そしておそらく唯ひとつの自画像。そして彼女を知る者ほどその描写力に驚く若き日の敏子。いずれも岡本絵画のイメージとは真逆の、静かでやさしい表情をたたえている。本展はそうした身近な人の表情を書き留めた写実的な絵を一堂に会したものだ。ここにはぼくたちの知らなかったもうひとりの太郎がいる。」と同展開催について語っている。

 岡本太郎は今年で生誕100周年を迎えた。2011年2月26日には、岡本太郎の生誕100年を記念したバースデーイベント「TARO100 祭@六本木ヒルズアリーナ」を開催。また、東京・渋谷にある岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」の一部にアーティスト集団Chim↑Pom(チンポム)のアート作品が描かれたことも話題となった。

■岡本太郎記念館
http://www.taro-okamoto.or.jp/
場 所:岡本太郎記念館(TEL03-3406-0801)〒107-0062東京都港区南青山6-1-19
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:毎週火曜日
ギャラリートーク:2011年7月6日(水)、8月10日(水)、 9月21日(水)