『キッカー』誌のシーズン・ベストイレブンにも名を連ねた香川。最終節ではファンに感謝を示した [写真]=千葉格

 欧州主要リーグの王者も決定。南アフリカ・ワールドカップ後に幕を開けた2010−11シーズンも間もなく幕を閉じる。

 ドルトムントのブンデスリーガ優勝に貢献した香川真司、インテルという世界有数のビッグクラブで存在感を示す長友佑都、チャンピオンズリーグのベスト4を経験したシャルケの内田篤人など、欧州という舞台において、今シーズンは日本人選手の活躍が顕著な1年でもあった。

 欧州サッカー界のシーズン終了を目前に控え、『サッカーキング』では「2010−11シーズン、海外組で最も活躍したと思う選手は?」のアンケートを実施。ここでその結果と、サッカーファンの声を紹介しようと思う。

2010−11シーズン、海外組で最も活躍したと思う選手は?
1位:香川真司(ドルトムント)/418票
2位:長友佑都(インテル)/379票
3位:内田篤人(シャルケ)/274票
4位:松井大輔(グルノーブル)/249票
5位:宮市亮(フェイエノールト)/75票
6位:本田圭佑(CSKAモスクワ)/36票
7位:川島永嗣(リールセ)/15票
8位:安田理大(フィテッセ)/7票
9位:矢野貴章(フライブルク)/6票
10位:長谷部誠(ヴォルフスブルク)、岡崎慎司(シュトゥットガルト)、坂田大輔(アリス)/5票

■1位:香川真司(ドルトムント)
「前半戦のMVP!優勝の原動力」

「怪我をする前迄は自他共に認めるくらいの働きをしました、実際贔屓目無しに見ても彼が居なかったら優勝は無かったはず」

「負傷による欠場で前半戦だけとはいえ、チーム優勝に貢献したのはあきらか」

「前半戦だけにもかかわらず香川の活躍はめざましかったと思う。ラスト試合に出た時の香川コールにはさぶいぼが…日本人があんなにドイツで愛される活躍するなんてびっくり」

「長友と迷ったけど香川。 南アではサポートメンバーとして同伴した選手がいまやブンデスで優勝するドルトムントの攻撃の鍵を握っている。アジアカップでの負傷が痛かったが来シーズンはCLもある、もっともっとステップアップしてほしい」

「ブンデスリーガでの日本人ブームの火付け役となった前半戦の活躍が大きい! 怪我しなかったら更に成長していたと思う」

「長友ファンなので、長友といいたいところですが、やはり香川です。W杯の悔しさをバネにして、前半戦MVPが表すようにドルトムントで大活躍してくれました。彼は間違いなくブンデス優勝の立役者の一人です。得点は、リーグ後半戦ケガで苦しんだため数字こそ伸びませんでしたが、出場試合数に対する得点数は素晴らしい結果だと思います」

■長友佑都(インテル)
「チームは半年で変わったが、年間を通して目覚しい活躍を見せたため。常時出場の末CLベスト4進出の内田も捨てがたかったが、格のあるクラブでも日本人が十分活躍できることを証明して見せた長友の功績は大きい」

「インテルでフル出場できる選手になった」

「欧州4大リーグで一年間通じて試合に出場し、高いパフォーマンスを発揮し続けたのは長友だけ。インテルの信頼を勝ち取った実績を見ても頭一つ抜けている」

「W杯、チェゼーナ、アジア杯、インテルとそれぞれ異なるチームでもコンスタントに活躍する適応能力はすごいと思いましたし、エトーらビッグネームを封じ込める姿は日本人として爽快でした」

「インテル移籍は今年一番興奮させてもらいました。香川選手や内田選手も活躍しましたが前者は怪我を、後者はリーグ戦での不振が…。さらに長友選手は外国人枠がある中での移籍ですし。数年前まで応援の太鼓叩いていた人がいまやインテルのレギュラーなんて信じられないですよ」

「既にインテルでレギュラークラス。守備面は内田よりも能力が高く、ワールドクラスだと思う。攻撃面の課題はまだあるけど、習得能力が高くビックリした。短期間でこれほどまでに進化していく人間を見たことが無い。長友には応援したくなる「何か」がある」

■内田篤人(シャルケ)
「チームでスタメンを勝ち取ってからは毎試合のようにスタメンに名を連ねフル出場した。リーグ戦、CLとコンスタントに試合に出続けCLでベスト4まで進んだことはとても大きなことだと思う」

「日本人の初CL決勝進出への夢を見させてくれたので!うっちー、これからもがんばって」

「なんと言っても、クラブ史上初、日本人としても初のCLベスト4を決めた」

■松井大輔(グルノーブル)
「松井大輔は、永遠だ!あのトリッキーなプレーカッコよすっ」

「松井大輔選手は戦術・フィジカル・技術が他の選手とは格が違う」

「2部だからか全然取り上げられないけど、ゴールやアシストして地味に活躍してます」

■宮市亮(フェイエノールト)
「長友も活躍していたが、まだまだ扱いはサブメンバー。宮市はデビュー後直ぐにレギュラー(ファーストチョイス)としてゲームに出ているトコロが他の欧州勢よりもスゴイ所。来季はアーセナルに特別枠で復帰出来れば良し、出来なくてもフェイエノールト、若しくは他のリーグで活躍して欲しい。そして、ブラジルW杯にはファーストチョイスのFWとしてのプレイを観たい」

「世界の注目若手ベスト10に入ったことがその証明。まだまだ課題も多いが、長所であるスピード&ドリブルは特筆すべきものがある。将来が非常に楽しみ」

「宮市が入団してからチームの調子が上がったから」

「日本の高校生から世界に通用する選手、日本の将来を担う選手にまで成長したから」

■本田圭佑(CSKAモスクワ)
「自身の生きるポジションでの起用が少ないなか、その中でアシストやボールキープ等チーム勝利に貢献していると思います」

「スカッとする発言、アピール力。日本人選手としてどんどん飛躍して欲しいです」

■川島永嗣(リールセ)
「川島選手が居なかったら、リールセは2部に落ちていたと思います。ジュピラーリーグは注目度も低いだけで、大活躍間違いなかったと思います!MOMに選ばれたり最優秀選手に選ばれたりと、サポーターからの信頼は間違いなく厚いと思います。現地に試合観戦に行きひしひしと感じました。アジア杯での活躍も凄まじいものでした」

「日本人GKが正GKとしてプレーし、1部残留に貢献したので」


 1位の香川にはドルトムント優勝への貢献度や、前半戦のブンデス公式サイトのMVPに選ばれた実績を評価する声が多く、2位の長友にはインテルという名門クラブで居場所をつかんでいることに対する称賛の意見が集中。3位の内田はチャンピオンズリーグでの活躍のインパクトが大きく、4位の宮市には将来への期待の声が複数集まる結果となった。

 間もなく終幕の時を迎える2011−10シーズン。来シーズンはどの日本人選手が、どんな活躍を見せてくれるのか。欧州のスタンダードとなった“日本人助っ人”の躍動が、これからも楽しみだ。

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【浅野祐介@asasukeno】1976年生まれ。『STREET JACK』、『Men's JOKER』でファッション誌の編集を5年。その後、『WORLD SOCCER KING』の副編集長を経て、『SOCCER KING(twitterアカウントはSoccerKingJP)』の編集長に就任。