ようやくのホーム開幕だ。
昨日とうって変わって天気もいいし、これはお客さんも集まるだろうと、埼スタに入ったのが1時15分。何だか、試合だけじゃなくて、クラブ経営に関しても気になってしまうからね。去年始めての赤字となったからには、ぜひ今年は再び黒字転換を願わずにはおれない。

どうも、アッパースタンドの入りが、もう一つだな、とすぐに感じた。

後半の発表も4万2千あまりと出る。ホーム初戦で、相手が去年優勝、闘莉王もいるグランパスと考えると、ちょっと少ない。

いや、ショックに思う必要はない。これは、あくまで昨シーズンに対しての観客の評価だ。今年、成績をあげ、それ以上に我々をワクワクさせてくれるキャラクターさえ登場すれば、きっとすぐ5万になる。

そういう意味じゃ、きょうの試合ほど、レッズの未来に明るい虹をかけてくれたのはなかったな。

先発メンバー発表の時は、闘莉王や楢崎などの有名選手を抱えるグランパスに比べ、やや格落ちの感もないではなかったが、試合が始まって、そんな気持ちはすっ飛んだ。

まずチームの姿勢がいい。みんなが「シュートをしよう」という意識が強まっている。去年のように、ゴール前まで来てるのにただパスを回すだけで、いつになったらゴールに向かうのかよくわからないのに比べ、戦闘意識が強まっている。

田中達也がまた、キレてたもんね。こんなにイケイケ状態の彼を見たのは久しぶりのような気がする。

顔が地味でスターのオーラがなく、ただテクニックだけがそこそこあるとナメていたマルシオ・リシャルデスも、これはこれで「脇役」としての存在感が侮れないのがわかった。

ずっと注目してると、必ず、いいポジションにいるのだ。だから1点目のようなこぼれ球への対応は実にうまい。

原口もやってくれましたな。ああいう、ボールを奪っての強引なゴールという、あの形!あれが去年のレッズにはなかったのだ。というか、岡野以来だ。チームワークももちろん大事だが、自分一人ででも得点を奪ってやる気迫は、今年のレッズを明るくしてくれる。

後半、ちょっとだけ出たマゾーラも期待通りのスピードだった。

もっともっと出てほしいが、原口と、少しポジションも、ドリブラーのキャラクターもカブり気味なのが、心配といえば心配。2人がコンビで動くっていうシステムは、想像しづらいから。

かつて、あのビートたけしは、相方のきよしがあまりにも口ベタだったために、一度試しに、しゃべりのうまい島田洋七と漫才をやってみたという。ところが、たけしも洋七もやたらとしゃべる同士だったために、ただうるさいだけで、バランスの悪いコンビになってしまったという。

そこから考えると、原口もマゾ―ラも、どちらも「しゃべり好き」タイプなのだ。

だから誰かがうまくバランスをとって、ダチョウ倶楽部や安田大サーカスのように、トリオ芸で見せてくれればいい。となると2人を同時にコントロールできるのはマルシオか柏木か。それと、2人のどちらかが右に回れるか。

マゾーラにつられて、エスクデロまでやたらと張り切っていた。

きょうの試合を見る限り、レッズの前線は思いのほかタレントだらけ。去年以前のように、気が付いたら点をとっていたのはエジミウソン、といったどこかうら寂しいシーンは減るだろう。だいたい強烈な破壊力に欠けるエジミウソンが「ワントップのエース」である間は、レッズは優勝争いはムリ、が私の持論だから。

あまり目立たないが、永田も予想よりずっといい。2、3回ヒヤッとする場面はあったものの、ケネディをほぼ自由にさせなかった。体もデカくて、後ろにいると安心感がある。

ペトロビッチも、ずっとサイドラインの近くに立ちっぱなし。点を取った時は派手に歓びを爆発させてくれるし、喜怒哀楽をはっきりみせてくれるのは、私は好ましかった。

どうも前の監督は、アクションが地味すぎたので、盛り上がらない。

今年は、イケるんじゃないの! すぐに5万人にもなるって。


山中伊知郎

昭和29年生まれ。1993年のJ開幕の年に、偶然、浦和に住んでいたことから、年間シート席を買う。以後、ずっとレッズを見つめ続けるが、サッカーに対する知識は、ちっとも蓄積されない。お笑いライブのプロデュース、お笑い関連本の出版なども手掛ける。

現在、本を毎日読んで批評する書評ブログを継続中。そちらもよろしく。
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