ナポリが昨夏、FWエディンソン・カバーニを獲得したとき、アウレリオ・デ・ラウレンティス会長は一定のサラリーで2015年までの契約を結ぶという良い仕事をした。セリエAで得点王争い2位につけているカバーニは、ゴール数やチームの目標達成に対するボーナスを含み、180万ユーロ(約2億1000万円)のサラリーを手にしている。

だが、そのカバーニのゴールのおかげもあって、ナポリがチャンピオンズリーグ(CL)出場へ向かっている今、同選手の契約は見直されるべきだろう。問題は、選手側の要求とクラブの提案にまだ大きな開きがあることだ。

ナポリとカバーニの関係が冷えた、ということではない。だが、最初のコンタクトはうまくいかなかった。カバーニはもはやどこから見てもトッププレーヤーであり、ヨーロッパのビッグクラブは現在の2倍のサラリーを用意しているだろう。

カバーニとナポリの街の絆は非常に強い。だが先週、同選手はコパ・アメリカのサイト上で、「ナポリではとてもうまくいっている。夢のようだ。僕は挑戦が好きで、いつか出て行くかもしれないとしたら、それはレアル・マドリーやそれに似たビッグクラブで自分を試す可能性があるときだけだ」とコメント。名門クラブへの扉を開く形となった。カバーニはイングランドやスペインで高く評価されている。

だが一方で、ナポリはまずCL出場権獲得を確実にしなければいけない。将来について話すのは、5月22日以降のことだ。ワルテル・マッツァーリ監督が常に言っていたことである。そのマッツァーリ監督の運命も、まだ不透明だからだ。

デ・ラウレンティス会長は「彼にはあと2年の契約があり、我々とともに残る」と、マッツァーリ監督の続投を強調している。だが、指揮官は状況を整理するためにクラブと会うことを求めたようだ。マッツァーリ監督はナポリの街を称えているが、続投に関してはこれまで明確な答えを示したことがない。シーズン後には会長に対し、チーム補強に関する明確な保証を求めるだろう。それはまた、ユヴェントスやローマからの誘いがすぐ後ろに控えているからでもある。