■中東の記者たちは「日本は強すぎる」と語る
日本代表が単独最多となる、アジアカップ4度目の優勝を成し遂げた。初優勝を達成した1992年広島大会も含め、最近6大会で4度も優勝している。ワールドカップにも98年フランス大会以降、4大会連続で本大会出場を続けていることを考えると、アジア無敵といっても過言ではない。

中東の記者たちは、「日本は強すぎる」と半ば呆れ顔だった。彼らには「日本になら負けても仕方がない」、そう思っている節がある。つまり日本は、過去の栄光との合わせ技でアジアの敵を圧倒しているのだ。現地メディアには、日本を「アジアのバルセロナ」、「アジアのブラジル」などと手放しで褒め称えるところもあった。

韓国戦前半の流れるようなパスワークは、たしかに「アジアのバルセロナ」の面目躍如だった。だが、日本が無敵の強さを発揮した試合は少ない。サウジ戦を除けば、苦戦ばかりだった。

■優勝は果たしたが、物足りなさが残った
ザッケローニ監督は就任直後のアルゼンチン戦で金星を上げ、続く敵地での韓国戦にも引き分けるという素晴らしい結果を出した。

これは新監督が、自陣を隙間なく固め、敵のボールを引っかけて手数をかけずに逆襲に転じるという、結果に執着した戦い方を選択したからだ。

この結果を踏まえて筆者がアジアカップで注目したのは、今度は攻撃をオーガナイズできるか、という点だった。

先の2試合とは違って、アジアカップならボールを支配することができる。そのポゼッションを組織化し、効率よくゴールにつなげられるか、そこのところをザッケローニに期待していた。

優勝という最高の結果は出たが、この部分では正直物足りなさが残った。

アジアカップの日本代表は、南アフリカ大会前の迷走する岡田ジャパンを想起させた。つまり、多くの選手が中央に集まりすぎて、展開が複雑で小さくなってしまっている。

これは日本のサッカーにサイドアタックの意識が希薄なこと、それに伴ってサイドに適した選手が少ないことと関係がある。

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■著者プロフィール
熊崎敬

1971年1月30日生まれ。岐阜県出身。サッカーダイジェスト編集部からナンバー編集部を経て独立。著書に「熊さんのゴール裏で日向ぼっこ」(駒草出版)、「JAPANサッカーに明日はあるか」(文春文庫)など。マラドーナやジダンの生まれ故郷に潜り込み、襲われた経験を持つ。趣味は草野球。今季、ついに打撃が開眼した。


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