今までの日本代表は、サッカーゲームそのものの進め方に大きな問題があった。監督采配に最も不満、違和感を抱かせた。原サンの采配はそうした意味で「普通」。オーソドックスなサッカーをした。もう少しいえば今日的。時代遅れ感はなかった。
日本人選手と日本代表監督。僕のサッカー偏差値的な考えでいけば、これまでサッカー偏差値が高いのは選手だった。足を引っ張っているのは監督だった。
その関係が、少なくともこの2試合では崩れた。対等になった。

原サンは、日本人の指導者の中では、最も自分の足で世界を回っていた人。それなりの試合を現場でキチンと見て、今日的な感覚を掴んでいた数少ない人物だ。監督浪人中、サッカー偏差値を高めていたわけだ。その実績が、この2試合で発揮されたと僕は考えている。

驚きは何もない。予想されたことが予想通り起きた。それだけの話だ。日本の指導者の中に、原サンのような人が増えることを願うばかりだ。問われているのは浪人中の過ごし方だ。毎週レギュラーで、日本のスタジオから喋っている限り、本当の感覚は掴めない。

それなりに蓄えがあるのだから、仕事になるならないは抜きにして、外に出ましょう。代表監督時代に、たっぷり稼いだのだから、某衛星放送と専属契約など結ばず、取り巻きがお膳立てしたスケジュールではなく、自分の足で世界をくまなく外遊してきてください。たとえば、岡田サンには、僕はそう言いたいのである。