韓国の高麗大学総長のイ・ギス氏が6日、高麗大学での特別講義で、ソウル大などほかの大学を卑下する発言をしたとして、韓国内で波紋が広がっている。複数の韓国メディアが報じている。

 イ・ギス氏は講義中に「高麗大が韓国を代表する1番の大学になることができるのか、解決策は何か」とのテーマを紹介し、それに対して「高麗大はすでに1番の大学であり、その理由は『教育を通じて国を救おう』という理念とともに、その役割を時代ごとに忠実に遂行してきたからである」と語った。

 また、イ・ギス氏は「ソウル大などの国立大学は、植民地支配から解放されてからは国立大学になったものの、それ以前は日本が侵略のための手段としてつくった官立大学だった。韓国の正統性を守ることができる大学は私立大であって、それが高麗大でなければ延世大とされるだろうが、延世大はキリスト教の大学であって韓国の大学でない」と述べたという。

 高麗大学はスポーツなどの分野でも名高く、韓国では名門大学とされ、その学風は「韓国の早稲田」と称されているという。

 この発言に対し、ソウル大学のキム・グァンウン名誉教授は「大学に順位をつけること自体が時代錯誤的な考えだ。時代ごとに大学の使命があるかもしれないが、学問を研究して学生を教える本質は変わらない。もしイ・ギス氏の論理のとおりならば、ソウル大の教授はみな親日派なのか」と指摘したと伝えられている。

 イ・ギス氏はこれまでにも軽率な発言が問題になっており、6月17日の記者懇談会では、同大学に在籍するキム・ヨナが、2科目で単位を落としたという事実を公表したことも問題となったことから、学内では「総長がどこかへ行くたびに、問題発言をする」と非難の声も上がっているという。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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