リヨンのジャン=ミッシェル・オラス会長がオフのはじめに、「補強の最優先課題はヨアン・グルキュフ」と宣言したときには、誰もが現実味の薄い話だと感じたが、ついにボルドーはチームの司令塔をライバルに売り渡すことを受け入れた。

 すでにその前にはエースストライカーのマルアン・シャマクをアーセナルに放出。さらにここへ来て、FWフェルナンド・カヴェナギのマヨルカへの移籍も決まった。加えて、攻撃的MFのヴェンデウにも移籍の可能性が取り沙汰されている。

 攻撃陣が深刻に手薄になる中、残り少なくなった移籍期間(8月31日まで)のうちに補強を行なう必要がある。グルキュフ売却に伴い、2200万ユーロ(約23億7000万円)という巨額の移籍金を手に入れたボルドーだが、うち1500万ユーロは欧州カップ出場を逃したことに伴う損失の補填に回される。

 残る軍資金は700万ユーロ。フランス・ソワール紙によると、この金額にぴったり合うのが、リールのMFヨアン・カバイ。ただしこの場合は、もうひとりFWを獲得する余裕がなくなってしまう。そこでボルドー首脳陣のリストに再浮上したのがグルノーブルの松井大輔だ。

 グルノーブルの要求額がそこまで高くなければ、300万ユーロとされるFWイレネウシュ・イェレン(オセール)にもオファーが出せることになる。松井に対するボルドーの関心については、すでに7月にレキップ紙が報じていた。同紙はその際、ジャン・ティガナ新監督が松井を高く評価していることを根拠に挙げていた。