韓国で「犬肉の博士」と呼ばれる忠清大学の食品栄養学部の安龍根(アン・ヨングン)教授が、犬肉に関する専門書を出版した。世界各地の犬食文化を紹介し、犬食を理由に韓国を非難するフランス人に対しては、「かつては日常的に食べていた」と、“反撃”した。

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 韓国で「犬肉の博士」と呼ばれる忠清大学の食品栄養学部の安龍根(アン・ヨングン)教授がこのほど、犬肉に関する専門書を出版した。世界各各地の犬食文化を紹介し、犬食を理由に韓国を非難するフランス人に対しては、「かつては日常的に食べていた」と、“反撃”した。

 安教授は2000年に一般向けの書籍の『韓国人と犬肉』を出版。その後も研究を続けこのほど、世界各国における犬食の歴史と風習、栄養学的分析、薬理的効果、説話など犬食関連の集大成となる『犬肉』を出版した。韓国メディアは「学術的にも非常に価値が高い」などと紹介した。

 安教授は著書で「犬肉を食べるのは韓国人だけではない」と力説。同一民族の北朝鮮はもちろん、中国、ハワイ、ベトナム、フィリピンなどの人々も犬肉を食べており、世界に犬肉の料理法は数百種類あると論じた。

 欧米人を中心に、犬食反対の声も大きい。特にフランス人は、犬食を理由に韓国人を「野蛮人」とまで非難することがあるという。安教授は『犬肉』の中で、「お前らの先祖も同じだ」と“反撃”。フランス人の先祖が日常的に犬肉を食べていたことを示す文献や、1870年に始まった普仏戦争当時に、食用の犬肉を販売する店に行列ができていたという仏ル・モンド紙の挿絵も紹介した。

 安教授は犬食に関係する飼育問題も論じ、「食用犬が環境を汚染をするのではなく、ごみの処理法に問題がある」との見方を示した。

 安教授は2002年「補身湯(犬肉の料理)連合会」を結成し、犬肉加工食品発表会や犬肉祭りの開催など、さまざまな活動を展開している。さらに6カ国語によるホームページも運営して、犬食文化を紹介(写真は日本語ページのトップ)。犬食を非難する声に対しては、「人種差別の動物保護」、「犬肉食用反対の非論理性」など、痛烈に反論している。(編集担当:永井武)

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◆解説◆ 安龍根教授は、犬食を賛美する「犬肉のうた」の作詞も行っている(作曲:安熙信)。同歌詞には日本語版もある。安教授は、欧米人が犬食を非難する背景には、韓国の牛肉輸入を増やそうとする思惑があるとの自説も同歌詞に盛り込んだ。「いぬにくは、われらが伝統食品、伝統文化/韓国万歳、犬肉万歳」との部分もあり、安教授の犬食に対する情熱には、自民族に対する誇りがベースにあることが分かる。(編集担当:如月隼人)



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