MEG
 4月28日に、前作「FREAK」以来1年2ケ月振りとなるニューシングル「SECRET ADVENTURE」を発売したMEG。発売当日にZepp Tokyoにて行われたワンマンライブ「TOKYO NIGHT“PARTY”2010」では、5月26日にブルーレイとDVDが発売となる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」とのコラボレーションや、自身の誕生日である10月3日と前日2日にはサンリオピューロランド閉館後に貸し切りで「MEG BIRTHDAY PARTY」の開催を発表。6月23日にはニューアルバム「MAVERICK」の発売を控える中、「SECRET ADVENTURE」リリースからアルバム制作に掛けて話を聞いた。

――今回収録された「SECRET ADVENTURE」と「GRAY」以外にも、シングル候補曲はあったのですか?

MEG:まずアルバムの制作に取り掛かって、それを全曲録り終えてからシングルを決めようとしていたので、最初からシングルに取り掛かったわけではなくて、アルバムを作っている過程で。「SECRET ADVENTURE」にしたのは、一番最後の日に、もう今日シングルを決めなきゃダメだという時に滑り込みで、中田くんが「超いい曲が書けたから、これ先に歌詞を書いて」って。中田くんが私にそういう意思表示をするのは珍しいことなので、私も頑張ろうと思って。中田くんの気合いからしても、これはきっとシングルになるだろうっていうのは歌詞を書いている時点であったし、録ってみたら「やっぱり良かったね」ってシングルになりました。

――1年ほど前にアルバム「BEAUTIFUL」を出されて、夏にミニアルバム「Journey」を挟んで、期間的には割と余裕をもって制作できましたか?

MEG:前回の「BEAUTIFUL」が私的にはすごく良いものが出来たと思っていたので、もう一枚一緒に作るってなった時に、変化が欲しいんだけど、どこまで出来るのかな?というのはあって。「こういうのにしよう」というんじゃなくて、「やってみないと分からないな」というのもありつつ。本当は年末ぐらいからゆっくり制作に掛かろうと思ってたんですけど、ちょっとスケジュールが2ヶ月ズレちゃって。結局デッドラインが迫っちゃって、3日に1曲とかっていう、すごくタイトな期間にアルバムを作ったという結末に(笑)。

――歌詞の面では、言いたいことは書き尽くせた感じですか?

MEG:正直な所、すごく難産だったというか(笑)。「BEAUTIFUL」が終わって、そこで結構もう私はまとまったなっていう気がしてたんで。「もう一枚か…」という所で、違うものを作りたいというのがあったんですけど、「違うものっていうのはどんな?」「違うもので出来ることっていったら何なんだろう?」っていう所で、固まってないまま制作に入っちゃって。タイトルが「MAVERICK」っていう、「型にハマらない」とかいう意味合いなんですけど、リリースタイミングがあるからって、そこに向けて書かなきゃいけないっていうことが、なんか違うんじゃないかと思ってきて。やっぱり3日に1曲、1週間に2〜3曲、締め切りにあわせて無理矢理まとめるとかじゃなくて、丁寧に作りたかった。

――日頃から書きとめておいた歌詞の断片をハメていくような制作手法は合わないですか?

MEG:それは常にあるんですけど、やっぱり出されたお題に合うものを選ばなきゃいけないから、届いてから3日後が締切で歌入れとかなると、「あぁ、もう全部ハマらないや…」みたいな。自分から想像して書かなきゃいけなかったりすることが今回多かったんですよ。だから、書き切れなかったテーマもあるし、そもそも、ちゃんと満足してないものを自分のベストとして出すっていうのが納得いってなくて。タイアップも決まってないのに、何のためにそういうルールとかを守らなきゃいけないのかな?って、ずっと書きながらもモヤモヤしてて(笑)。

――そういうルールに従うのなら言うべきではないのかもしれませんが、MEGさんはメジャーであるメリットとデメリットのバランスが微妙な存在な気がします。

MEG:それはありますねー。楽しいから音楽をやっていたから、「うーん、どうなんだろう?」って、そこで疑問を持ち始めちゃって。そういう意味でも「MAVERICK」というタイトルを付けていて(笑)。その中で言うと、このシングルは割とすんなり書けたというか、言葉遊びとかリズム重視で好きな曲がかけたと思います。他の曲は割とバラードだったり、中田くんが今回メロディを重視して書いているので、何を乗せても言葉が全部浮き出ちゃうから、難しかったですねー。ヌルい言葉のままいくと、余計にそれが浮き出ちゃうから、このままいきたくないと思って。でも、締切がある(笑)。「なんで、こんな中途半端な状態で歌入れもしなきゃいけなくて…」って、ずっと考えていたんですよね。「作品を作る上で、そのやり方は正しいのか?」っていうのはすごく思いました。