アフリカ屈指の強豪コートジボワールが3日、国際親善試合で韓国に0―2で敗れた。W杯まで100日というタイミングで、アジアとアフリカのレベルを対比するうえで、日本にとっても興味深い結果だ。

 フランスのレキップ紙は、韓国について「パス回し、ポジショニング、テクニックで非常にすぐれたクオリティを見せた」と高く評価しているが、相手のコートジボワールが本来の力を発揮できる状態になかったことを割り引いて考える必要がある。2008年から監督を務めてきたヴァヒド・ハリホジッチ氏が直前に解任されたためだ。

 この試合は、アシスタントコーチのジョルジュ・クアディオ氏が暫定的に指揮をとった。主将のディディエ・ドログバ(チェルシー)は試合後、レキップ紙に「結果はよくなかったが、監督不在という特殊な状況だった。当然、選手たちは気分を害していた」と振り返っている。

 ハリホジッチ監督の下、コートジボワールは24戦無敗を誇った。それが先のアフリカネーションズカップ準々決勝でアルジェリアに敗れ、W杯を前にして監督交代という危機的な状況に陥った。いくら個々の能力が高くても、チームとしてのまとまりを欠いたのは当然だ。加えて、トゥレ兄弟(マンチェスター・シティ、バルセロナ)、ゾコラ(セビージャ)、カルー(チェルシー)といった主力が韓国戦には出ていない。

 レキップ紙によると、「状況の急変がない限り」フース・ヒディンク氏の監督就任が来週明けにも決まる。昨年2月、ロシア代表監督のポストに留まったまま急遽チェルシーの監督を引き受け、見事に結果を出したヒディンク氏だけに、残り3ヶ月で人材のそろったチームをまとめ上げることは十分可能だ。日本がW杯壮行試合(6月4日)で対戦するのは、韓国戦で見せたのとは違う本来のコートジボワールとなりそうだ。