パリのサンドニスタジアムで行われたフランス代表対スペイン代表の親善試合。試合開始からスピードを武器にボールを動かしながら隙を窺うスペイン代表に激しくプレッシャーをかけ、ボールを奪って素早く攻めるカウンターを徹底し、勢いに乗る。

 試合の流れが一気にスペインペースに変わったのは前半21分。イニエスタのスルーパスを受けたビジャがキーパーの動きを見て落ち着いてゴールを決め先制点を奪う。このゴールで落ち着きを取り戻したスペイン代表は、中盤でシャビ・アロンソ、セスク、セルジ・ブスケスが簡単にボールをさばきリ完全にゲームを支配した。

 駄目押し点は前半終了間際、それまで果敢にオーバーラップを仕掛けていた右サイドバックのセルヒオ・ラモスが中に切り込み左足でもぎ取った。完全に撃沈ムードのフランス代表。会場からは「ドメネク辞任」の罵声、スペイン代表が持つたびに「オレー、オレー」の大歓声。地元サポーターからも無視されたフランス代表。後半も全く立ち直ることなく、ホームでスペイン代表に完敗だった。

 42年ぶりにフランスの地で勝ったスペイン代表。デル・ボスケ監督は、「良いことも悪いこともあった。しかし、もっと良い試合ができるようにしていきたい」と貪欲な姿勢は変わらない。一方、敗れたフランス代表ドメネク監督は、「スペイン代表はW杯優勝候補筆頭」と完敗を認めた。念願の世界制覇に向けてスペイン代表は勢いを付けている。

(スペイン通信)