AP通信社に加入している新聞社の編集者が投票する『今年のスポーツ界トップニュース』に、タイガー・ウッズの女性スキャンダルを抑えてステロイド問題が選ばれた(12月24日付ニューヨーク・デイリーニュース)。

 ゴルフ界のスター、タイガー・ウッズのスキャンダルは11月27日の交通事故を発端に大々的に報道されるようになった。投票はそれ以前に始まっていたが、AP通信社は30日にウッズ問題を含めたニュース候補を新たに配信した。しかし、ウッズ問題発覚後の投票だけを有効としても、編集者たちは『ステロイド問題』を今年のトップニュースに選んだ。

 ロジャー・クレメンスやミゲル・テハダといった球界のスターが名指しで登場したミッチェル・リポートに関する聴聞会が1月に開かれ、春季キャンプの前日には、スポーツ紙のステロイド使用疑惑報道を受けて、アレックス・ロドリゲスが使用を認めて謝罪した。

 マニー・ラミレスは禁止薬物使用で50日間の出場停止処分を受け、デイヴィッド・オルティーズとサミー・ソーサの名前が、薬物検査で陽性を示した選手リストに載っていることが判明した。

 ホームラン王バリー・ボンズに対する疑惑も払拭されていないし、宣誓したうえで使用を否定したクレメンスに対する捜査は継続しており、使用が証明されれば偽証罪に問われかねない。

 サイヤング賞に7度も輝いたクレメンスが偽証罪で起訴されるようなことになれば、2010年もステロイド問題が新聞のスポーツ面から消えることはないだろう。