月曜深夜にフジテレビ系で放送している「新しい波16」。いまだ世に出ていない超若手お笑い芸人を紹介するもので、番組自体はなかなかおもしろい。しかし、登場する芸人はさすが超若手だけあり、なかなか頭一つ飛び出そうな予感を持つ者はなかった。

 そんな現状に制作サイドも業を煮やしたのか、そこそこ名の知れた芸人を出演させるなど番組コンセプトにぶれが見られたこともある。しかしついに先日の放送で私的原石を発見した。「キムチとライス」、結成6ヶ月のコンビである。記事を書くためにプロフィールを調べようとしたがネットにもまったく情報がなかったため、番組を見ての感想のみになることを許していただきたい。

 キムチとライスは草薙祐輔と韓国から来て3年になるキム・ミンジュンによるコンビ。この日は日本人と韓国人のコンビというある種恵まれた環境を最大限に活かしたしゃべくり漫才を披露した。韓流漫才、といってしまうとアイヒマンスタンダードのようなイメージを持つ人もいるかもしれないが、それよりもハーフコンビのラヴドライブに近い。

 キムはつたないながらも関西弁をあやつり、勢いのあるツッコミを見せる。ハリセンボン・近藤ばりのキレツッコミがその強烈なキャラクターと調和し、キャッチーなおもしろさをかもし出すのだ。それに加えキムはかなりの天然とみえて、トーク中はひたすらにいじられていた。ネタにもまだのびしろがありそうだったし、ことによると大化けする可能性もある。

 キムが暴走している時の草薙がまたいい。漫才中はただニコニコと相方を見つめ、トークでは周囲と一緒になっていじり倒す。それは私にはキムのおもしろさを認め、さらに引き出そうかとしているように見えた。

 そんなキムチとライスは現在、活動を続けていけるかどうかの瀬戸際に立たされている。キムの就業ビザが切れそうなのだ。元々キムは留学生としてビザを取得していたのだが、お笑いを初めて学校にはあまり行かなくなっているとのこと。更新が認められるためにはキムが真面目な留学生に戻るか、お笑い芸人としてもっともっと活躍しなければならないそうだ。私はもちろん、後者を望む。

 光り輝くなにかを秘めながらも先行き不透明なキムチとライス。どうか彼らに、良いめぐり合わせが待っていますように。

(編集部:三浦ヨーコ)


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