いぬ

どうせ犬を飼うなら純血種がいいと、血統書付きの犬は高値ながらも絶大な人気を誇ります。

ところが英紙デイリー・テレグラフによると、最近の純血種は以前に比べて、メンタル・知能が落ちてきているというのです。

19世紀では、犬の選択基準は強さとスキルが全てでした。

多くは番犬として使用し、その能力を重要視して飼っていたのです。

ところが現代では、同じ犬種でありながら明らかに命令に対する感応が鈍く、警戒心も欠けているそうです。

スウェーデンの科学者によると、外観重視で交配されているため、知能が低下が進んでいることが判明しているとのことです。

純血種が選ばれるときの基準は、毛並みや顔などのルックスが主で、素早いリアクションや匂いをかぎ分ける能力などは選ばれなくなっています。

ドッグショーなどで競う犬にも基準に達したルックスは必要で、またファッションの一部としてチワワやパピヨンといった、ハンドバッグ・ドッグと呼ばれる小さな犬たちが流行しているのも、見た目重視の風潮に拍車を掛けています。

1万3千匹の犬を調査したSvartberg博士は、人に好かれやすい犬のキャラクターが内向的だったり、退屈な犬だったりという傾向が大きく関係していると述べています。

特に知能の退化が激しいのは、かつて牧羊犬だったコリー犬や、狩猟犬だったローデシアン・リッジバックだそうです。

とはいえ、それでも純血犬種を求める人は多いとのことで、この傾向は変わらないようです。

愛玩犬という性質上、賢さより見た目というのは仕方ないことかもしれませんが、頭の悪い犬ほど高価でもてはやされるという構図は、どこか(いびつ)に感じてなりません。

Are pedigree dogs stupid as well as unhealthy?より

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