たむらぱん(撮影:野原誠治)
 世界最大のSNS、MySpaceを利用した地道なプロモーション活動が話題となり、作詞・作曲・編曲からアートワークまで手がけるマルチアーティスト、たむらぱん。日本初のMySpace発メジャー・アーティストとして注目を浴び、今年4月に発表したデビューアルバム「ブタベスト」が各方面で絶賛されている彼女が、先月23日に早くもファースト・シングル「ハレーション」を発表した。

――今回の「ハレーション」は思い切り夏な感じの曲ですが、四季の中では夏が一番好きですか?

たむらぱん:いやぁー、春と秋が好きです(笑)。夏は、冬もそうなんですけど、どうしようもない暑さというか。もう暑くて、どうすることもできない感じが嫌なんですよね。太刀打ちできないというか(笑)。

――ジャケットでは水中から顔を覗かせていますが、曲を作る段階でこういうビジュアルイメージは沸いているんですか?

たむらぱん:私の曲の中の映像としては、どっちかというとビルの中に人がいて、外の映像と中の映像とのギャップ感みたいなものが頭に浮かんでいるような夏のイメージだったんですけど。でも、こうやって作品になって見てもらう時は、外側の方のイメージを表に出した感じですね。

――ミュージックビデオでは、監督さんと相談しつつ、イメージを固めていった感じですか?

たむらぱん:そうですね、監督さんが最初にコンテを作ってくれて。曲の中で、すごく楽しい部分もあるんだけど、例えば白いワンピースに真っ白な大っきい帽子を被って、その楽しいのを見ている病弱な人みたいな雰囲気もあったので。それを監督さんが上手く映像にしてくれたんです。

――「ブタベスト」収録曲の中でも、「アミリオン」のように一曲を通してシリアスな二の線で通す曲もあれば、三の線と言うかどこかふざけたキャラクターが入っている曲もありますよね。とことん真面目に決めたいわけでもなく、かといって決してお笑いに走りたいわけでもなく、みたいな(笑)。

たむらぱん:そうなんですよねー!やっぱり夏に出すし、聴いていてテンションが上がるような曲にしたかったんですけど。その中に何かちょっと寂しい部分も入れたり、プラス何か意図してやったつもりじゃなかったんだけど、ちょっとふざける感を出して、夏に理由をつけて「夏だから、はしゃげる!」みたいな所を出しているかもしれないですね。そうすると、はしゃいでいてもバカに見えないというか。

――歌詞に「大人ぶってないで本音で泳ごう」とありますが、自分が大人になったと感じる部分はありますか?

たむらぱん:実際に何を自分が大人ぶっているか具体的には分からないんですけど、どこかに見栄を張るような所は昔より出てきたんじゃないかな?とは思いますね。何か知っていなくてはいけないとか、知ったかぶりじゃないですけど。でも反面、そういうのを「知らない」と言えるすごさも大事じゃないかとも思っていて。そうじゃないと自分が広がらないというか。

 この曲はOLさんっぽい人が主人公なんですけど、曲全体を通してのメッセージとして、人は自分の知識とかでも、何かをやることに対しての“限界”を自分で決めてしまいがちで。でも、それを普通に取り払うのは無理だから、「夏だから」という何か理由を付けたら、もっと自分の限界とかを広げられるんじゃないか?みたいなメッセージを込めていて。ビキニが着れないのも、自分がそうやって決め付けているだけなんじゃないの?みたいな。