キリンカップのタイトルが掛かったパラグアイ戦前日、日本代表は埼玉スタジアムで冒頭15分だけの公開し、約1時間の非公開練習を行った。昨日合流した中村俊輔は、リーグ最終節で負傷していたこともあり、26日午前中に検査を行ったが、大事には至らない様子で、埼玉スタジアムでの練習にも参加している。

 練習後、岡田監督から「この前の試合で傷んだ選手がいる」と会見で発表され玉田圭司、田中マルクス闘莉王、長谷部誠の3選手も「出場できると思う」と話している。

 チーム状態について「雰囲気はとてもいい」と高原直泰が話せば、鈴木啓太も「監督の目指すチームコンセプトが、チームに浸透していることは、この間の試合で表現できたはず」とワールドカップ3次予選へ向け、チーム作りが順調に進んでいるようだ。

 そして明日のパラグアイ戦で、チームのベースが築かれつつある岡田ジャパン初出場を果たす予定の中村俊。チームに合流した26日の練習前には指揮官とのミーティングも終え、「こういうシチュエーションなら、どうすべきか?という風に、いろいろと具体的な話をしてもらった」と言う。

 その中村俊の加入について遠藤は「オシム監督の時と、岡田監督のサッカーには違いも多い。俊(中村俊)も戸惑うことがあるとは思うけれど、僕らがコミュニケーションをとることで、解決できればいい。どういうポジションで出場するのか、チームのシステムもわからないけれど、俊のもっているいいところを活かせるようなプレーを僕らが意識することもあると思う。とは言え、チームとしてのサッカーが大前提になる」と話していた。

 第1戦のコートジボアール戦では、後半の運動量が明らかに低下した。オマーン、タイと高温地域でのアウェー戦が控えているだけに、いかに試合を運ぶのか、時間の使い方などへの気配りも求められるだろう。遠藤は、「もっとチーム全体でボールキープする時間があってもいいと思うし、シンプルに繋ぐ部分も必要だと思う。守備面では手ごたえを感じているが、攻撃面ではもっともっと質を上げられる可能性もある。そういう意識で明日の試合に挑みたい」と話した。

 一方で松井大輔は「監督のやりたい、攻撃も守備もチーム全体で動いて、(攻守の)切り替えを早くする、というサッカーは出来ている。ただ、攻撃時のコンビネーションについては、もっと詰めていかなくちゃいけない」と連携面への課題を語っていた。

 そのために必要な選手間のコミュニケーションは取れているのだろうか。

 左サイドバックでび出場が予想される長友は「練習では、自分からコミュニケーションを取って、自分の特徴をもっと分かってもらえるようにしました。ヤットさん(遠藤)、今野さん、長谷部さんと話し合った」と、“選手間のパイプ作り”へ積極的な姿勢で取り組んでいるようだ。

 本番となるワールドカップ3次予選まで、最後の調整の場となったパラグアイ戦。出場選手の顔ぶれはわからないが、チーム戦術を進化させるためにも、コートジボアール戦の先発がベースになるだろう。南アフリカへの第一関門突破へ向け、最善の準備をするためためにも、パラグアイ戦では、充実した90分間を体験して欲しい。