F1第8戦フランスGPが行なわれるマニクール・サーキットに30日、現役を引退した2人のスーパースターが登場し、話題を集めた。フランス通信（AFP）などが報じている。

　難病「ロイコジストロフィー（脳白質変性症）」の治療研究を支援するためのチャリティー・イベントでサーキットに現われたのは、F1のミハエル・シューマッハーと、サッカーのジネディーヌ・ジダンという2人の元世界チャンピオン。

　ジダン氏はシューマッハー氏の運転する黒いフェラーリFXX（800馬力）の助手席に乗り込み、F1マシン並みの走行スピードを生まれて初めて体験。「乗る前は強がっていたけど、いったん中に入るとそうはいかなかった。でもすごく楽しめたよ」と語った。

　ロイコジストロフィーは先天性の代謝異常で、脳障害を引き起こす難病。フランスでは毎週3〜6人、ヨーロッパでは20〜40人のペースで、ロイコジストロフィーを抱える子供が生まれている。治療法の研究には莫大な費用がかかる。

　「ひとりの父親として、このような難病への取り組みは、自分にも大いに関係があると感じている」と語るジダン氏は、2001年から欧州ロイコジストロフィー協会（ELA）の支援活動を行っている。

　29日からリヨンのジェルラン・スタジアムで開催されている10歳〜12歳の子供のサッカー世界大会「ダノン・ネーションズカップ」の収益金もELAに寄付される。同大会は今年で8回目。7月1日の決勝戦では、ジダン氏がキックオフを行なう。

　この大会から、メキシコU-20代表でバルセロナに所属するジョバンニ・ドス・サントス・ラミレス（18）や、オランダのユース代表でアーセナル所属のネイサー・バラツァイト（17）、フランスU-19代表でリヨン所属のロスミー・カラブエ（19）など、将来のスター候補が生まれている。