DoCoMo/au/ソフトバンク・・今注目の通信業界で求められる人物とは

通信業界の情報は毎日のように、さまざまな角度から飛び込んでくる。はっきりいえば情報過多で、全体像も将来像もなかなか見えない。そこで専門の異なる有識者3人に、現在および将来の動向と、エンジニアが見るべきポイントを聞いた。まずは通信系アナリストに、業界全体のポイント整理をお願いした。

通信キャリアの組織改革が進み、サービス内容で勝負が決まる

通信業界は大きな変革期にあります。まず、通信事業の分類が「横切り」になりつつあること。その好例が、昨年11月に発表されたNTTの中期経営戦略です。
固定電話のNTT東西(東日本と西日本)、NTTコム(コミュニケーション)、携帯電話のNTTドコモは現在では別々の事業ですが、NTT東西とドコモを基盤通信ネットワークを運用する事業者として位置づけ、NTTコムはこれらとコンテンツ事業者のシームレスな接続を仲介する、インテグレーターとする形です。
通信キャリアがコンテンツと端末機器以外のすべてを自社で抱える構造ですが、これらの要素はパワードコムと合併したKDDIにもあり、来年から携帯電話事業を始めるソフトバンクも同様です。こうした効率化が進むと差別化がますます重視されるため、通信サービスも変革期を迎えます。ただ、状況は一様ではありません。


サービスを大きく個人向けと、法人向けに分けましょう。個人向けサービスは現状でも、コンテンツ、価格帯、テクノロジーなどで各社の差はさほどありません。11月からはナンバーポータビリティ制度が始まり、開発競争は激化してユーザーのメリットは高まると思いますが、どれほど差が生まれるのか不明です。
それでも個人向けサービスは各社の個性も出せますし、その意味ではやりやすい。やりにくいのは法人向けのほうです。なぜなら、単に新しく携帯電話を売るだけでは差が出ないので、付加価値が必要となるわけですが、これが一律のサービスではすまないからです。
例えば建設業界と金融業界を考えると、建設現場では皆が同時に通話できるトランシーバーのような端末が求められても、証券会社ではデータセキュリティーの確実な機能が望まれるといった、利便性の差が出てくるのです。固定電話にはなかった特性であり、変革期を経た先には、建設業に強いキャリアや金融関連を得意とするキャリアなど、業種や業態ごとのすみ分けが起こるのではと考えます。


細分化する技術分野と、新たに重視される技術職種

技術的には、データ通信を中心とするIPが主流になるでしょう。ただし、ひと口にIPといっても音声、データ、セキュリティー、VPN、SSLなど多様で、同じ言葉でも方言の異なるような技術が、それぞれに高度化と標準化を進めると思います。そうなるとIPの専門分野が分かれ、それぞれに強みをもつエンジニアが生まれます。
また、前記のように通信業界の構造が変わり、「中間層」の役割が大きくなると、新規参入者も増加するでしょう。中間層はサービスプラットフォームなどと呼ばれますが、この分野へのSIerやアウトソーサーの参入が考えられます。

インフラをもたないMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)も本格化すると思われます。設備・施工費が不要で初期投資が少ないため、通信業界以外からの参入が予想されています。例えば、完成車メーカーが通信キャリアのインフラを使って、自社用の携帯電話サービスを始めるなどです。
これら新しい分野では主にミドルウェアの技術が中心となるため、サーバーや各種アプリケーションなどのネットワーク技術よりも、情報システム寄りのエンジニアが求められるでしょう。
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