ライブドア(LD)元社長、堀江貴文被告の公判が26日、結審した。4カ月半に及んだ審理が終わり、主任弁護士の高井康行弁護士は「やるべきことはやった。やりきりましたよ。やりきるとは、こういうことを言うんだよ」と、満足気に笑みを浮かべた。

 最終弁論で、弁護側は509ページにわたる膨大な弁論を読み上げ、検察批判を展開した。弁論の作成は5人の弁護士が担当。高井弁護士も2週間前から事務所近くのホテルに泊り込み、完成したのは最終弁論当日の2時間前、午前8時だったという。

 無罪主張の堀江被告は公判で、一切反省の言葉を口にせず、検察側は論告求刑で「反省の情がない」と批判した。高井弁護士は「近代国家の刑事法廷は“お白洲(しらす)”ではない。無罪を主張するなら、堂々と主張する場だ」と、反論する。

 論告公判で、ライブドア事件は「第2の帝人事件」だと指弾した。「絶対に証拠があるはずだと、見込みで逮捕した。ところが証拠がない。宮内には、ちょうどいい別件(特別背任・業務上横領)がある。なにが何でも堀江を起訴しなければ、特捜の威信に関わる。検察の威信のために、彼を犠牲にした。そういう検察を許していいのか」と高井弁護士は裁判終了後、記者たちを前に声を強めた。

 かつては特捜検事として、リクルート事件なども担当した高井弁護士。裁判所はどんな決定をするのか──。判決は3月16日。【了】

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