パラオのトミー・レメンゲサウ大統領(左)に記念品を手渡す蔡英文総統=総統府提供

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(台北 13日 中央社)中華民国(台湾)と外交関係を持つ太平洋の島国パラオのトミー・レメンゲサウ大統領の歓迎式典が12日、台北市の総統府前広場で行われ、蔡英文総統はパラオが台湾の国際社会への支持を継続的に表明していることに感謝を示した。

レメンゲサウ大統領は台湾からの招きを受け、10日から14日までの日程で滞在。2016年5月の蔡総統就任式典に合わせて訪台して以来の公式訪問となった。

台湾と外交関係を続けるパラオは近年、中国からの圧力を受け、観光客激減の問題に直面している。蔡総統は、政治的要素による観光業界への打撃がある状況下でもパラオが譲歩せず、今年5月の世界保健機関(WHO)総会、同9月の国連総会一般討論演説などで台湾のために義理堅い発言を行っていることに触れ、「全ての台湾人を代表して最も深い感謝を示します」と述べた。

歓迎式典に続いて総統府で行われた首脳会談で蔡総統は、パラオと各分野で進めている協力事業について言及。青果の生産技術普及や医療従事者の訓練での成果のほか、今年9月に両国間で農産物貿易が正式に始まったことに触れた。環境保全を重視するパラオの観光政策を称賛し、台湾人のパラオ観光を奨励する政府の姿勢をアピールした。蔡総統自身のパラオ訪問にも意欲をみせた。蔡総統は昨年10月下旬から11月初頭にかけて太平洋の国交樹立国3カ国を歴訪したが、パラオは訪問先に含まれていなかった。

レメンゲサウ大統領は、台湾との関係は兄弟のようだと話し、台湾を見習っていきたい考えを示した。また、台湾は国際社会に対して多くの貢献が可能だと称え、特に国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現において台湾が国際社会とともに問題に向き合っていくことの大切さを語った。

(呂欣ケイ/編集:名切千絵)