NMB48に5年間在籍、AKB48時代を含めると8年にわたって48グループの中心的メンバーだった”みおりん”こと市川美織が3日、大阪・オリックス劇場にて、「卒業コンサート〜今が旬!難波育ちフレッシュレモン、出荷します〜」を開催した。

”アイドルコンサートの聖地”として名高いオリックス劇場に、”フレッシュレモン”の有終の姿を見届けようとたくさんのファンが詰めかけ、レモンカラーのサイリウムで埋め尽くされた。

ドラフト3期生の前座が終わり、「overture」のあと、劇場支配人金子氏が八百屋に扮した寸劇のVTRが流れる。メンバーが買いに来る中、レモンだけが売れ残る、そこで市川の声で「全部くださーい!」と絶叫し、本人がステージに姿を見せると割れんばかりの歓声が。おなじみの”フレッシュレモン”の被り物で登場した市川は『檸檬の年頃』『渚のCHERRY』を歌い、『永遠より続くように』では全メンバーが登場したが、全員がレモンの被り物で登場し、圧巻の見栄えに。なかには山本彩がホームベース、白間美瑠がさる、吉田朱里がくちびる、城恵理子がサッカーボールなど、一部がちがう被り物で会場はざわめく。山本は「3時間前からこれ被ってて、円陣組むときに真面目なこと言っても、説得力無かった」とぶっちゃけ笑いを誘った。このノリで市川センターによる『ドリアン少年』で会場のボルテージはさらにアゲアゲとなった。


次のブロックは各期生ごとに、市川を囲み歌う。5期生は『野蛮なソフトクリーム』、ドラフト1期&2期生は『100年先でも』、4期生は『僕がもう少し大胆なら』、3期生は『努力の雫』、2期生は『ピーク』、そして1期生は『ササササイコー』をそれぞれ披露し、市川へ、くまのぬいぐるみや似顔絵、メッセージなどを贈り、門出を祝った。1期生の山本、白間、吉田、沖田彩華、川上礼奈は8年前のNMB48デビュー時の衣装で登場、少し照れくさい表情を浮かべていた。

中盤では定番ソング『わるきー』を市川が歌唱。『れもきー』として「最初で最後の”れもきー”です!」とセクシー&キュートに歌い上げ、大歓声を浴びた。つづいて『なめくじハート』『おNEWの上履き』を披露し、翌日卒業コンサートを開く、盟友矢倉楓子と『君と僕の関係』をデュエット、会場からはどよめきが起こった。

突然の”みおりんクイズ”で、城が市川との思い出の曲を問うクイズが。渋谷凪咲の大ボケ回答が飛び出したが、正解の『君の背中』を渋谷も城も含め、市川、太田夢莉、村瀬紗英、谷川愛梨、植村梓、内木志、川上千尋、堀詩音、山尾梨奈で披露した。ダンスセクションの後は『初めての星』が。そして久しぶりにツインテール姿を披露した市川が”思い出の曲”として『抱きしめちゃいけない』を選び、なんと山本のギター1本でアコースティックに披露。そのいつまでもあどけない歌声に魅了された。

終盤は市川が携わったNMB48のシングルチューン『僕らのユリイカ』『高嶺の林檎』『カモネギックス』『甘噛み姫』『らしくない』『ワロタピーポー』を畳み掛け、さらに会場内にメンバーが登場。お目当てのメンバーが幸運にも近くに来てくれたファンは、うちわを振りかざし、満面の笑顔でカメラ目線を送り、はちゃめちゃお祭り状態で大いに盛り上がった。最後はいままでの感謝を込めて『難波愛』を熱唱し本編の幕が下りた。

”みーおーりん”コールの鳴り止まないなか、4月4日発売のニューシングル『欲望者』を初披露。笑顔のないキレキレのパフォーマンスに会場は息を呑んだ。

2010年、AKB48 10期研究生から2013年のNMB48兼任、2014年の完全移籍から今日に至るまでのスライドショーが流れると、この日のために新調したレモンカラーのドレスで登場した市川。「少しお話しさせていただきます。長くなると思いますけれど」と切り出した、「メンバーとしては恵まれていたと思いますが、浮き沈みの激しいアイドル人生だったと思います。”フレッシュレモン”で売っていたんですけど、兼任前頃から段々萎れていってしまいまして、何を言っても笑ってもらえず、シーンとした空気になったことで自信を無くしました。それを変えてくれたのがNMB48のお陰だったんですね。AKB48のメンバーから”NMB48にいるみおりんて輝いてるよね”って言ってもらえて。わたしNMB48に来たことでもう一度輝けるんじゃないかって。もう一度アイドル頑張ってみようって思えたんです。NMB48に来て本当に良かったです。卒業コンサートにあたって、メンバーにたくさんの曲を覚えてもらいました。私が8年間できなかったことを、すべてNMB48が叶えてくれたんです。だってレモンの被り物がこんなに出てくるコンサートなんてないですよね。そんなメンバーが大好き、そしてそれを受け入れてくれるファンの方々が大好きです。今まで本当にありがとうございました」とメッセージを贈った。

本人選曲のセットリストのため23曲連続登壇となったが、最後も市川が選んだ『フェリー』『ずっとずっと』を熱唱した。大歓声の中、山本が何やら大きな箱を台車に乗せて登場。「出荷しにまいりました。旬ですので」とにっこり。箱には「To OMIYA」と荷札が貼られ、市川は「大阪の皆さんバーバーイ!!」とその箱に入り、16日着で、次に卒業コンサートが行われる「大宮ソニックシティ」へ出荷されていった。

いつも明るい笑顔を振りまく市川らしく、最後まで目から”レモン汁”が溢れることはなかったが、心から噴き出る感謝のレモン汁は勢いよく”ブシャー!”とファンに浴びせられたのではないだろうか。

ⓒNMB48