中国の大学生、性教育学に真剣(画像は『人民网 2017年9月28日付微博「【武汉一高校性教育选修课5秒钟被抢光 有学生站教室外蹭课】」』のスクリーンショット)

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中国の若年層でエイズ患者が増加していることをご存じであろうか。すべては正しい性の知識、教育が不足しているからである。やや遅いと言わざるを得ないものがあるが、このほど中国・湖北省のある大学が性教育に真剣に取り組み始めたもよう。学生たちの反応はすこぶるよく、今やその大学の人気No.1講座になっていることを『武漢晩報(Wuhan Evening News)』などが伝えている。

若者がHIVウイルスに感染し、奔放な性生活を楽しむことでそれが拡散してエイズ患者が増える。中国ではエイズ患者の1.6%が学生で、過去5年で40%近く増加したことになるそうだ。同ウイルス感染者数で中国ワースト1という四川省では、西南石油大学が構内の自動販売機でHIVウイルス簡易検査キットを販売して世界の人々を驚かせている。学生たちは缶ジュースを買うような気軽さで市販より安い価格で検査キットを買うといい、この取り組みにはほかの大学からも注目が集まっているもようだ。

そんななか、新たな学問として性教育のクラスを設けたのが湖北省の武漢理工大学華夏学院(Wuhan University of Technology Huaxia College)であった。その名称は『Sexual Health and Culture(性的健康と文化)』。大学生が受講する以上、基本的な性の知識を文化論に絡めたハイクオリティな講義内容に発展していくのであろう。履修希望者が殺到したことによりクラスはあっという間に定員に達し、無念にもそこに漏れた学生たちは廊下で聞き耳を立てているそうだ。

武漢晩報では記者1人がその授業に参加。教師は2名体制で誤った性知識が原因でHIVウイルスに感染してしまったというエイズ患者を招き、話を聞きながら授業は進められたそうだ。最初のうちは恥ずかしそうな表情を湛えていた学生たちも、質問やディスカッションでは積極的な雰囲気に転じたとのこと。「恥ずかしくて親には絶対に尋ねられないと思うことも、不思議とここでは質問することが出来ます」と語るなど学生たちは授業にとても満足した様子だったという。

2014年には北京師範大学の学生たちがキャンパスで抗議活動を展開し、「アダルトビデオを見ても正しい性の知識など得られない」「安全なセックスライフを楽しむためにも大学でしっかりとした性教育を教えて欲しい」といった声が相次いだ。このたびの新たな動きも含め、中国のネチズンたちからは「有名大学が性教育の講座を設けたことは素晴らしいと思うが、私たちが正しい性教育を必要としているのはもっと早い時期。大学に入る前に行なわれるべき」とのコメントが続出した。昨年に行われたある意識調査の結果では、中国の大学生のうち76%は「結婚前の性行為はあり」と答えており、しかし一方で女子大学生の10%が「少なくとも1回中絶手術を受けた」と答えていたようだ。

もっとも数か月前のこと、浙江省杭州市の小学校が教育カリキュラムに性教育を盛り込むことを打ち出し、教科書は完売したものの「内容が革新的で刺激が強すぎる」という理由で授業自体はキャンセルとなっていた。性教育はやはり教わる側にとっても関心があり、それなりの理解力を持った年齢であることが大事なのだ。正しい性の知識が欠けたまま異性と性行為に及べば、その後に待っているのは望まぬ妊娠や各種の感染症である。無知な少年少女が友人同士で性について話し合う、これの一番の落とし穴は誰かが「聞いたことがある」程度の知識を披露し、周りもそれを信じてしまうことである。

画像は『人民网 2017年9月28日付微博「【武汉一高校性教育选修课5秒钟被抢光 有学生站教室外蹭课】」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)