リアル政治劇場…「森友学園問題」が長引く2つの理由

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森友学園の問題が国会を騒がせ続けている。北朝鮮問題や南スーダンの問題、テロ等準備罪や天皇陛下の生前退位など、審議すべき重要案件があるにも関わらず、連日国会でこの問題が審議されることに疑問を感じた人も多いのではないだろうか。「森友学園問題って何が起こっているのでしょうか?」という質問が寄せられている。そこで、国会議員のスピーチライターをするなど政治の裏舞台を垣間見てきた作家の松井政就氏に、なぜこの問題が長引いているのかを聞いてみた。

「詳しい内容はすでに報じられた通りですので、繰り返しませんが、延々と問題になり続けているのは、問題そのものの中身ではなく、登場人物たちに理由があります」と松井氏は語る。

松井氏が指摘するのは以下の2点だ。

1.自分か妻が関わっていたとなれば、総理だけでなく議員もやめると安倍晋三総理が発言してしまったこと

2.総理対一個人の構図によるリアル政治劇場

順を追って説明を聞こう。

■1.「夫人関与でも議員辞職」発言

開校予定だった森友学園の新小学校(瑞穂の國記念小學院)の名誉校長に、安倍総理の妻である昭恵夫人が就任していたことから問題はこじれ、国有地売却という地味な話題が一気に耳目を集めることになった。

松井氏は「あくまで一般論として、名誉校長なのだから何らかの関係があっても不思議はないという疑いが生まれたのです」と振り返る。

各種メディアでも、いまだに野党が追及の手を緩めないのは安倍総理が2月17日の衆院予算員会で「(学園の認可や国有地の売却に)私や妻が関係していたとなれば総理も議員も辞める」と発言したことが大きいといわれている。

松井氏もこの点について、「自分が関わっていた場合だけを条件にするのならともかく、夫人が関連した場合も辞職すると言ってしまったことで、夫人の関係性に議論が集中することになりました」と述べる。

その上で松井氏は、「夫人は国会で問題になっている最中にも渦中の人物とメールのやりとりを数十回行うなど、疑惑を深める行動をしていました」と昭恵夫人の対応のまずさも指摘する。不用意すぎたファーストレディーが事態を悪化させたとも言えそうだ。

■2.総理対理事長、対決の構図

松井氏は、「国民の興味を掻き立て、最大の注目点となっているのは、籠池氏と安倍総理のどちらが本当のことを語っているのか、真実を知りたい欲求」と語る。国会での証人喚問において籠池氏が「安倍総理からということで、昭恵夫人から100万円の寄付を受け取った」という旨の発言をし、安倍総理がそれを真っ向から否定している点が注目を集めているのだという。

国有地払い下げの経緯を追及することが目的のはずだったのに「いつのまにか問題の注目点が置き換わってしまった」と松井氏は言う。

この原因について松井氏は、「国家の最高権力者と一民間人という極端に立場が違う2人が対立することで、一種のドラマ性を帯びたことも原因のひとつ」と分析。「テレビドラマであれば、即シラケてしまうような内容ですが、今回はそれがリアルな政治の場で起きたことで、注目を集めているわけです」と続ける。

証人喚問では「総理と理事長の仲」を探るのに終始し、残念ながら問題の本質をえぐるような事実は出てこなかった。それでも連日の報道をみると、捜査当局も森友学園問題に関心を示し始めたようだ。司直の判断を待つことになりそうだが、今度こそモヤモヤ感を残さずにスッキリできるのか?

●専門家プロフィール:松井政就
作家。政治、経済からスポーツ、エンタメまで幅広い分野に精通している。主な著作に「本物のカジノへ行こう!」(文春新書)「大好きなカレを落とす恋愛テクニック50」(オープンアップス)「経済特区・沖縄から日本が変わる」(光文社)など。「FORZA STYLE」で「SONY元異端社員の艶笑ノート」を連載中。

(武藤章宏)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)