みんな大好きな国民食「カレーライス」。その店舗が日本一多いのが「大阪」だということをご存知だろうか?

注文して即、ライスにルーをかけるだけでサッと食べられるのが、せっかちな大阪人の気質に合っているからだとか。そんな「大阪」の「カレー」は独自のスタイルがある。

最初のひと口はフルーティーで甘く、食べ進めていくうちにじわじわと辛さを感じる「甘辛カレー」、食材をトロトロに煮込むことですべての旨味がルーに溶け込んだ「具なし」が特徴。今回は都内で食べられる「大阪カレー」の厳選4店を紹介しよう!



インデアンカレー玉子入り(800円)
甘辛の華麗なるハーモニー!これこそ大阪カレーの元祖!『インデアンカレー』

まず最初に紹介するのが1947年大阪で創業の東京駅近くに構える『インデアンカレー丸の内店』の「インデアンカレー玉子入り(800円)」だ。

こんもり盛られたライスの上には卵黄がのせられ、さらにその上から適度に粘度のあるルーが全がけされたこちらのカレーライス、ひとくち口にすると子供の頃によく食べたようなフルーティで甘い味わいが口の中いっぱいに広がる。と、懐かしんでいるのも束の間、食べ進めていくうちにスパイシーな辛さが後から追いかけてくる。



卵黄を絡めていただけば、まろやかさとコクがアップしてさらにおいしくいただくことができる!

「甘いけど辛い!」「辛いけど甘い!」じんわりと汗をかきながらもスプーンが止まらないカレーだ。辛さが強くなってきたところで卵黄を崩していただけば、スパイシーなルーにまろやかさとコクが加わり、また一味違った味わいを楽しむことができる。

これこそ大阪カレーの元祖!甘辛の華麗なるハーモニーを全身に感じることができる、大阪カレーを語る上でははずせない必食の一皿だ!




美しい盛りの「トンカツカレー(880円)」
トッピングとの相性抜群のカレールー!『上等カレー』

続いて紹介するのが、1983年大阪にて創業の『上等カレー渋谷本店』の「トンカツカレー(880円)」だ。大量の和牛バラ肉と玉ねぎを使って作られたこちらのカレールーは存分に旨味、甘味、コクが抽出されており、一口目はほんのりとした甘さを感じさせながらもその後に感じる辛さも程よく、バランスの良い仕上がりとなっている。

このルーとトッピングのトンカツとの相性が実によく、衣にカレールーがよく馴染んでおり、絶妙な一体感を感じさせてくれる。揚げたてのサクサク食感と相まって実にテンポ良く食べ進めることができるカレーライスだ。



縦横にカットした一口サイズトンカツを一番最初に実践したカレー店がこちらのお店だ!

ちなみにトンカツを縦横の一口サイズの食べやすい大きさにカットして提供した最初のお店がこちらなのである。さらに、卓上に置いてある福神漬けとキャベツの酢漬けは、渋谷店限定ではあるものの食べ放題というのも嬉しい。

「インパクトと余韻」がこだわりというだけあって、一度食べたら数日経たずともまた食べに行きたくなる魅力満載のカレーライスがここにある。


甘くて辛くてコクがある!カレー好きならマストで押さえたい大阪カレーはこちら!



お店一番人気「煮込みスジカリー(918円)」
牛スジの旨味とカレースパイスの絶妙な配合バランス!『いずみカリー』

続いては、大阪市九条で2007年創業の代々木駅からほど近い場所に構える『いずみカリー千駄ヶ谷店』の「煮込みスジカリー(918円)」である。

関東のカレーのお肉は豚肉がメインなのに対して、関西は牛肉がメイン。それだけに牛スジ肉の扱い方にも精通しており、スプーンですくうとぷるんと逃げ出しそうなほどトロトロに仕上がっている。



ぷるぷるトロトロの牛スジ肉がこれでもか!という位入っているのが嬉しい!

このぷるぷるトロトロの牛スジ肉を口に運ぶと、口内で広がるのはルーに溶け込んだ牛の旨味とフルーティな甘味!そして後からじわじわとやってくる辛さ!食べ終わる頃には、なんだか懐かしさを感じさせてくれる三段階の味わいが楽しめるカレーライスだ。

「素材本来の旨味」、「絶妙な配合比率のカレースパイス」、そして食べた人に一番感じ取ってほしい「懐かしさのスパイス」が見事に融合した、至高の一皿を楽しむことができるお店である。




辛さと旨味とコクのゴールデンバランス!「カレーライス(牛肉入り、牛煮汁入り、中辛)(900円)」。付け合せの「人参のピクルス」も『ハチ』の味を思い出させる一品
今はなきあの伝説の味を再現!『ホットカレー トリプルセブン』

最後に紹介するのが『ホットカレー トリプルセブン』の「カレーライス(牛肉入り、牛煮汁入り、中辛)(900円)」だ。平成12年に突如閉店してしまった、かつて大阪天神橋にあった大人気カレー店『辛口料理ハチ』の味に惚れ込んだ大阪出身のオーナーが東京でその味を再現すべく、2015年5月に東京・千代田区にオープン。

「ハチ(8)」には追いつけないけど、そのすぐ後ろを常に追いかけていたいというところから「セブン(7)」が店名の由来だと言うのにセンスを感じる。カレー自体は、「腹が立つほど辛いのにどうしてこんなにウマいんだ!?」をキャッチコピーに掲げているだけあって、がっつりと香るスパイスの香りが特徴的だ。



かつての『ハチ』ファンも納得の伝説の味を彷彿させるカレーライスだ!

サラッとした牛煮汁入りのルーをひと口いただくと、他の大阪カレーとは異なり、一口目からインパクトのある辛さ!そして、噴き出す大量の汗!なのだが、単純に辛いだけではなく、その辛さの中には旨味とコクが絶妙なバランスで配合されていて、一度口にすれば次から次へとスプーンを口に運びたくなる病み付きになる辛さだ。

伝説の味を目指して日々進化し続ける、辛さと旨さのバランスにとことんこだわりぬいた大阪カレーをぜひともここで味わってほしい!