【警告】湘南=古林(55分)、菊池大(78分) 柏=クリスティアーノ(90+4分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】菊地俊介(湘南)

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【試合内容】
 試合は序盤から「回す柏」vs「プレス&カウンターの湘南」の構図が続く。ホームの湘南は11分、右サイドの崩しから決定機を迎えるも大槻が決め切れず。その後もサイドから圧力をかけると26分、右サイドからのクロスに大槻が打点の高いヘッドで合わせて待望の先制点を挙げる。
 
 対する柏はボールキープこそするものの、ゴールへの道をこじ開けられず、湘南の1点リードで前半を折り返す。
 
 後半、湘南のカウンターがさらに牙を剥く。53分に相手のオウンゴールで追加点を奪うと、60分、64分と立て続けに柏ゴールを脅かす。そして71分、CKを遠藤がドンピシャで合わせて柏に引導を渡し、攻撃的サッカーを標榜するチーム同士の対戦は、3-0と湘南の完勝で幕を閉じた。

【J1 PHOTOハイライト】2ndステージ・5節

【チーム採点・寸評】
湘南     7
ボール支配率は37パーセントも、柏のSBを徹底的にケアして押し上げさせない戦術がズバリ的中。逆にサイド攻撃からチャンスを創出し、先制、追加点、ダメ押しと理想的なゲーム展開で完勝した。
 
柏          5
パスこそつながるも、縦への展開を制限されて攻撃が停滞。守ってはサイドへの対応のまずさ、セットプレーからの失点というこれまでの課題をぶり返し、そこに自分たちのミスも重なって典型的な「負けゲーム」となった。
 
【湘南|採点・寸評】
GK
1 秋元陽太 6
枠内シュート0本と相手の攻撃陣が精彩を欠いたこともあり、ピンチらしいピンチはなし。それでも思い切りの良い飛び出しが光った。
 
DF
3 遠藤 航 6.5
WBに攻撃を促す巧みなポジショニングでリーグ戦9試合ぶりの無失点勝利。縦につけるパスに加え、最後は代表行きを自ら祝うダメ押しヘッドを叩き込んだ。
 
4 アンドレ・バイア 6.5
前回対戦に続き工藤のポストプレーを完璧に封じる。サイドからのボールもことごとく迎撃し、柏の前に中央で大きく立ちはだかった。
 
17 三竿雄斗 6
WBの菊池大を後ろからサポートしつつ、中央に絞り気味の位置取りで攻撃を撥ね返す。セットプレーでのキックも精度が高かった。
 
MF
2 菊地俊介 6.5
自身初となるシャドーで先発出場も、動じることなく前からプレスをかける任務をまっとう。高山と大槻との連係もスムーズで、カウンターでも存在感を示した。
 
5 古林将太 6.5
「相手のSBに自由を与えるな」という者監督の指示を体現。先制点となる大槻へのピンポイントクロスはタイミング、高さともに見事だった。
 
6 永木亮太 6
シュート3本はいずれも枠を捉えられず。その分、地味ながら中盤でのインターセプトに神経を研ぎ澄ませ、カウンター発動の一翼に。
 
10 菊池大介 6
意識的に縦へ仕掛けて相手のSBを自陣に釘付けに。終盤、クリスティアーノの強烈なFKを顔面ブロック後、すぐに立ち上がる気迫も見せた。
 
16 石川俊輝 6
前回対戦での好プレーが評価され、第2ステージ初先発。柏のインサイドハーフに対しマンツーマン気味に守り、突破を未然に防いだ。
 
23 高山 薫 6
気迫がスピードと推進力に比例。決定機を決め切れない場面も多く、個人的には不完全燃焼だろうが裏を狙い続けて相手の脅威となった。
 
FW
19 大槻周平 6.5
決定機でジャストミートできずにチャンスを逃した挽回とばかりに、26分に打点の高いヘッドで先制弾をお見舞い。チームに良い流れを呼び込んだ。
 
交代出場
DF
30 島村 毅 6
工藤にスペースに入り込まれる場面はあったが、致命傷には至らず。球際でしっかり身体を張り、WBにも高いポジション取りを促した。
 
FW
11 藤田祥史 -
集中力を高く保ち、スルーパスと裏への抜け出しでチャンスメイク。出場時間こそ短かったものの、クオリティの高いプレーを披露した。
 
MF
48 武田英二郎 -
ファーストプレーで球際に飛び込むガッツは評価に値。不用意なファウルで与えたFKも事なきを得てなんとかクリーンシートを達成。
 
監督
者 貴裁 6.5
3連勝中の柏を術中にハメる完璧なゲームプラン。そのなかでも縦に速い湘南スタイルを誇示した。3-0でリードする場面でFW藤田祥を投入する采配を見せるなど、最後まで攻撃的な姿勢を貫いた。
 
 
【柏|採点・寸評】
GK
1 桐畑和繁 5
10分に決定機を防いだ一方、先制点の場面は「(クロスに)触れれば」という判断が裏目に出て失点。3失点を喫して試合後は反省ばかりが口を突いた。
               
DF
4 鈴木大輔 4.5
クリアミスに始まり、セットプレーでマークが遅れ失点、トドメはバックパスによるオウンゴールとDFとしては悔いが残るゲームに。
 
13 エドゥアルド 5
相手にパスを渡すなど信じられないミスも。湘南3トップの勢いに後手に回り、ビルドアップでも前線へのロングフィードに頼った。
 
22 輪湖直樹 5
球際や1対1では強さを見せた半面、ボールホルダーへの寄せに課題。失点の場面も古林への対応が甘くなり、安易にクロスを許した。
 
23 今井智基 5
移籍後初先発。連係不足の影響かパスミスが散見し、逆に対峙した菊池大や高山の推進力にサイドの突破を許した。後半巻き返すも時すでに遅し。
 
MF
7 大谷秀和 5.5
広いコートビジョンでCBにパスコースを指示。だが自らビルドアップのために中盤に下がらざるを得ず、攻撃に軸足を置けなかった。
 
15 武富孝介 5
第2ステージでは初のインサイドハーフ起用。アタッキングサードでの複数人のマークに自由を奪われ、古巣に成長した姿を見せられず。
 
17 秋野央樹 5.5
序盤は冷静にプレスをかわしてボールを配球していたが、徐々に湘南の圧力に後退。横パスの比率が高く、チームの劣勢を救えなかった。
 
FW
9 工藤壮人 5
前半はほとんどボールが収まらず我慢の時間に。後半はトップに張らず、中盤まで下りてスペースを作る役割に回ったが、得点チャンスはなし。J1通算150試合出場を祝えなかった。
 
26 太田徹郎 5
第2ステージ初先発のチャンスを得るも、対面の遠藤に歯が絶たず。持ち前の攻撃力は影を潜め、良いところなく前半でピッチを去った。
 
30 クリスティアーノ 5.5
両軍最多のシュート4本を放つも、いずれも枠外と壁の正面という空回り。個の打開が上手くいかず、徐々にフラストレーションを溜めた。
 
交代出場
MF
25
小林祐介 6
後半頭からインサイドハーフに入り、絶え間なく上下動してチームをわずかに活性化。この日の中盤では最も質の高いプレーだった。
 
FW
11 エデルソン 6
ついにJリーグデビュー。0-3の難しい状況でもスペースで細かく動いてチャンスを窺ったが、ボールが来ずに真価の見極めは次戦にお預け。
 
MF
8 茨田陽生 5.5
チームの悪い流れに呑み込まれ、インパクトを放てず。秋野よりも「攻撃的に行きたい」意図があるはずだが、起用に応えられていない。
 
監督
吉田達磨 5
ハーフタイムでの小林投入、エデルソンと茨田のダブル替えと打てる手は打ったが、チームは機能せず。改善しつつあった課題からも少し後退した。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。