【警告】湘南=永木(26分)、大竹(41分)/広島=青山(79分)、ミキッチ(90+2分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】秋元陽太(湘南)

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【試合内容】
 3-4-2-1のミラーゲームとなった一戦は序盤、広島が6割を超えるボール支配率で両サイドから湘南ゴールに迫る。湘南も20分を過ぎると盛り返すが、ボールを奪った後にパスミスが続き、目まぐるしく攻守が入れ替わる。両軍ともに決定機には至らず、スコアレスで前半を折り返す。
 
 後半に入ると、一気に湘南ペースに。塩谷交代後に「攻める湘南」「凌ぐ広島」の構図が色濃くなるなか、広島は53分に佐藤、61分には柴粼がゴールネットを揺らすもオフサイド。途中地震の影響で試合が6分間中断したが、両チームとも集中力は切れず。球際が激しく、攻守で鋭い展開が見られた激闘は、そのまま0-0の引き分けで幕を閉じた。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・14節

 
【チーム採点・寸評】
湘南     6
攻守の切り替えでミスが目に付いたが、後半は自分たちのペースに持ち込み、シュート数でも上回る。4戦連続無失点で切り抜けるなど敵将も「2年前とはまったく違うチーム」と称賛の言葉を送った。
 
広島       5.5
サイド攻撃からチャンスを作る。ただ、中央への相手のプレスが厳しく、ややサイド偏重に。内容は決して悪くなかったが、勝点3を取れず、優勝争いが厳しくなった意味では及第点は与えられない。
 
 
【湘南|採点・寸評】
GK
1 秋元陽太 6.5
後半開始早々、ドウグラスとの1対1を身体を張って止めるスーパープレー。襲ってくるハイボールやクロスにも的確に処理した。
 
DF
3 遠藤 航 6.5
ウイングバックの裏のスペースを上手くカバー。前線へのフィードだけでなく、終盤はどんどん前への圧力を強めて攻撃をリードした。
 
4 アンドレ・バイア 6.5
リベロとしてゴール前に仁王立ち。特に対佐藤に関しては相手にほとんど仕事をさせず、次々と放り込まれるクロスも冷静に迎撃した。
 
17 三竿雄斗 5.5
ドウグラスとミキッチに対応したため、本来のオーバーラップが影を潜める。攻撃において、菊池との連動がもう少し欲しいところだ。
 
MF
6 永木亮太 6
相手選手との接触で右足や脇腹を痛めながら、最後まで運動量は落ちず走行距離は11キロオーバー。ただ、守備での消耗が激しかった印象だ。
 
16 石川俊輝 6
J1では自身初の3戦連続スタメン。激しく攻守が入れ替わるなか、相手ボランチへの縦パスに食らい付き、中央で簡単にボールを持たせなかったが、56分に訪れた絶好のチャンスは決めたかった。
 
10 菊池大介 5
ミキッチに押し込まれながらなんとか耐えた一方で、本職である攻撃では気合いが空回りし、ドリブル・シュートともに不発。ひとりだけ波に乗れなかった印象で、試合後は反省の弁が続いた。
 
14 藤田征也 5.5
柏との攻防で体力を大きく消耗。それでも32分にようやく初クロスを上げると、4分後にも粘ってボールを供給するなど意地を見せた。
 
7 大竹洋平 6
アタッキングサードでギャップに入り込み、スルーパスを通す。41分には鋭い切り返しでペナルティエリア内で倒されたが、悔しいシミュレーション判定。
 
23 高山 薫 5.5
ガムシャラにボールを追い駆け、チェイシングでは及第点。ただ、試合展開から言えば、さらにゴールに近い位置からシュートを狙い、得点したかった。
 
FW
19 大槻周平 5.5
相手の強力な3バックの前に思うように前を向けず。71分、ペナルティエリア内で倒されるもノーファウルで、結果を残せなかった。
 
交代出場
DF
2 菊地俊介 6
フォアチェックとプレスバックでカウンターを引き出す。地震による中断にも動じず、スムーズに試合に入った点でも良い働きだった。
 
MF
8 山田直輝 -
大竹に代わり、そのままシャドーへ。チェイシングからのインターセプトで終盤の猛攻に一役買うなど、短い時間で持ち味を発揮した。
 
FW
18 アリソン -
アディショナルタイム突入直前、左サイドからのクロスに飛び込むも相手を倒してファウルに。最後の“切り札”として結果を残せなかった。
 
 
監督
者 貴裁 6
判定にエキサイトし、試合後には審判団に詰め寄る場面も。それでも自分たちの攻撃スタイルを貫き、最後までゴールを奪いにいった。
【広島|採点・寸評】
GK
1 林 卓人 6.5
大槻の強烈ミドルを好セーブ、終盤には相手のカウンターに迷わず飛び出してクリアするなど終始安定。コーチングでもチームを鼓舞した。
 
DF
4 水本裕貴 6
塩谷の交代に伴って、久々に右のストッパーにシフト。ミスはなかった半面、際立ったプレーもなく、本人は裏のスペースへの対応にやや不満顔だった。
 
5 千葉和彦 6.5
ペナルティエリア内は完全にテリトリー。素早く足を出してCFへのくさびを封じ、ゴール前へのパスも身体を投げ出して封殺した。
 
33 塩谷 司 6
アタッキングサードでボールを持たれても、球際の強さと読みで難なく1対1に勝利。前半終了間際にセットプレーで右足首を痛めて、後半はやや精彩を欠き、55分にピッチを去った。
 
MF
6 青山敏弘 6
出場停止明けで全身から気合いが漲る。両サイドへの配球は上手く機能していたが、カウンターのリスクを避け、中央からの崩しは少なかった。
 
8 森粼和幸 6
いつも通りの安定したビルドアップを披露。79分に接触で右足を痛めたものの、セカンドボールにも最後まで素早く反応していた。
 
14 ミキッチ 6
序盤からガンガン仕掛けてクロスを供給。横の揺さぶりを交えたドリブルのキレは抜群だった。足りなかったのはゴールにつなげられなかった点だけだ。
 
18 柏 好文 6.5
90分間通して藤田とのウイングバック対決でイニシアチブを取った。後半は意識的に裏のスペースを狙うも、決定機にはならなかった。
 
9 ドウグラス 6
高さを活かした空中戦、力強いポストプレー、鋭いカウンターアタックと多彩な攻撃を披露。46分の最大の決定機を決めていれば……。
 
30 柴粼晃誠 5.5
中盤でボールを受けるも、相手の激しいプレッシャーで押し返されるシーンが散見。乗っているプレースキックも火は噴かなかった。
 
FW
11 佐藤寿人 5.5
53分にゴールネットを揺らすも、オフサイド判定。ファーストDFとしての守備は評価に値するが、結果的にシュート0本では寂しい。
 
 
交代出場
DF
19 佐々木翔 6
塩谷の負傷交代で急遽出場。移籍後のリーグ戦最長のプレー時間となったが、フィジカルを活かして塩谷と遜色なく守備を構築した。
 
MF
29 浅野拓磨 5.5
スピードに乗ったカウンターで2度ゴールに迫るも、得点はならず。時にはふたりがかりのマークを破れなかった。もう少し裏を狙う動きがあっても良かったか。
 
監督
森保 一 5.5
決定機を作るなど内容的には悪くないとはいえ、勝点3を取りに行くのであれば、交代のカードを1枚残した采配には少々疑問が残る。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。