【警告】甲府=なし 湘南=可児(29分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】秋元陽太(湘南)

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【試合内容】
 ロングボール中心に攻撃を組み立てた甲府は、「湘南の縦への勢いを抑える」(樋口監督)ことはできたものの、再三のセットプレーのチャンスを得点に結びつけられない。すると50分、後半開始から積極性を強めた湘南の攻勢を受けると、大槻にミドルシュートを決められ先制点を許す。
 
 反撃に出たい甲府は、橋爪、伊東、新加入のバレーと矢継ぎ早に投入するが、86分、87分の決定機は湘南のGK秋元に阻まれる。結局このまま逃げ切られて、甲府は2連敗を喫した。
 
【チーム採点】
甲府 5.5
「今持っている力を出してプランどおりに戦えたが、引き分けにも持っていけない」(樋口監督)のであれば、力不足と言うほかない。
 
湘南 6
相手に倍のシュートを撃たれるなど攻撃では迫力を欠くも、守備の奮闘が光り完封。最後まで足を止める選手もいなかった。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・11節

【甲府 | 採点・寸評】
GK 
1 荻 晃太 5.5
盛田を目がけたロングキックで攻撃の起点に。先制点を献上後は、焦りからかミスも覗かせた。
 
DF 
22 渡邉将基 5.5
対人の強さは見せたが、やや詰めが甘かったか。「0対0の時間をもっと長くしたかった」と悔やむ。
 
4 山本英臣 5.5
ボランチからCBに戻って先発出場。精度に定評のあるフィードにズレが目立った。
 
17 津田琢磨 6
左CBとしての先発出場は今季初。セットプレーや球際の競り合いで気迫を感じさせた。
 
MF 
24 松本大輝 5.5
持ち前の突破力を発揮したかと思えば、守備面では脆さを露呈。3試合ぶりに先発するも、ムラのあるプレーが目に付いた。
 
6 マルキーニョス・パラナ 5.5
失点につながるボールロストは痛恨。それ以外では、クレバーな位置取りでボールを回収していただけに悔やまれる。
 
23 稲垣 祥 5.5
汗かき役として奮闘し、攻撃では前半に際どいシュートを放つ。ただ、クロスやパスの質に難があるのは相変わらずだった。
 
27 阿部翔平 5.5
セットプレーでのキックの質に比べ、流れのなかから放った左足は正確性を欠く。本来のパフォーマンスに比べて輝きはなかった。
 
FW 
7 石原克哉 6
チャンスには結びつかずも、影を潜めつつあった攻撃面での「嫌らしさ」を随所に発揮。特に前半は、湘南のファウルを再三誘ってFKを得た。
 
19 盛田剛平 5
ボールの収め役になれず、持ち味はまったく活かせていなかった。よりゴール前でプレーできるよう、役割を整理したい。
 
11 アドリアーノ 5
相手の徹底マークに苦しむ。前を向いて突破を図っても、ペナルティエリアに差し掛かる付近で潰された。
 
交代出場
 
MF
28 橋爪勇樹 5.5
相手が引き気味だったこともあったが、持ち味である仕掛けるプレーはあまり見せられなかった。
 
FW
15 伊東純也 5.5
今や相手チームもそのスピードを織り込み済み。今後は警戒されるなかで、なにを見せられるかが問われる。
 
FW
10 バレー 5.5
準備期間が短いなかでできる限りのことはやった。終盤にはCKから惜しいヘディングシュートを放つも、相手GKの好守に阻まれる。
 
監督
樋口靖洋 5
前半は優位に試合を進めながら、後半に入った途端相手にペースを渡す。前節の松本戦に続き、昇格組に2連敗と結果は出せなかった。
【湘南 | 採点・寸評】
GK
1 秋元陽太 6.5
「相手のロングボールが多く向い風だった分、最終ラインの裏のケアが大事になる」と、迷うことなくまずは前に飛び出した。
 
DF
3 遠藤 航 6.5
A・バイアとのコンビで、アドリアーノを封じ込める。80分のピンチを防いだタックルは見事だった。
 
4 アンドレ・バイア 6
ファウルが多く粗っぽさは否めないが、空中戦と肉弾戦で存在感を大いに発揮する。
 
17 三竿雄斗 6
相手に入れ替わられ“ヒヤリ”とさせられる場面もあったが、正確なクサビのパスを打ち込み、決勝点をアシストした。
 
MF
14 藤田征也 5.5
90分を通して、守備とバランスの確保に重きを置いた印象。得意のクロスも自重気味だったか。
 
6 永木亮太 6.5
5試合連続フル出場とは思えない、別格の運動量を顕示。効果的なパスさばきも見せるなど攻守に貢献した。
 
26 可児壮隆 5
正確なパスでチャンスにつなげようとの意図は伝わるも奏功せず。早々と警告を受けたこともあり前半でピッチを退いた。
 
10 菊池大介 6
前半は後手に回ったが後半は別人のような積極性を示し、縦横無尽に仕掛けていった。
 
FW
19 大槻周平 6.5
前半は中盤と前線のつなぎ役に止まるも、50分に「左足一閃」のミドルで決勝点を奪取。貴重な働きを見せた。
 
18 アリソン 6
二度追い、三度追いは当たり前。最後まで労を惜しまず前線からの守備に奔走した。
 
22 岡田翔平 6
攻撃面で目立つ場面は少なかったものの、素早い帰陣やプレスバックは光った。
 
交代出場
 
MF
16 石川俊輝 6
今季2試合目の出場。攻撃で目立たずも、堅実な守備で中盤を引き締める。
 
DF
30 島村 毅 6
3バックの左に入り、まずまずのプレー。終盤は甲府の必死の反撃に耐えて最後まで凌ぎ切る。
 
MF
15 キム・ジョンピル -
「1対0」で逃げ切るゲームプランのなかで81分から出場。指揮官の要求どおりのタスクを全うした。
 
監督 
者 貴裁 6.5
「監督人生で初めて、守備の選手を多く入れた」と言う采配で、貴重な勝点3を獲得。我慢を強いられた前半から一転、後半の巻き返しは見事だった。
 
取材・文:渡辺 功(フリーライター)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。