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盗撮ではない、堂々撮だ!

行ってきました、日本選手権水泳競技大会。今回の全日本は、今夏ロシアのカザンで開かれる世界水泳選手権の代表選考会を兼ねた、とりわけ重要な大会。カザン世界選手権で金メダルを獲ればリオ五輪内定が出るということもあり、五輪への最短ルートがこの全日本から伸びているのです。

しかし、そんなことはどうでもいい。出るヤツは最短ルートでなくても出るだろうし、出ないヤツはそんな険しい道そもそも通れないだろう。僕が現地に駆けつけたのは、もちろんアスリートたちの美しい肉体を観察するため。特に今回は、中学生で表彰台乗りする未来の大器が続々と誕生しているということで、一瞬しかない輝ける中学生年代の肉体を網膜に焼きつけに行ったのです。

僕は内心震えていました。こんな不純な動機で侵入しても怒られないだろうかと。以前にも同大会に足を運んだことはありますが、水泳というのは割合ピリピリ系の空間です。そもそも観客席にいる人の大半が関係者。大学の水泳部とか、スイミングスクールの生徒とか、親兄弟とかです。彼らは派遣標準タイムと身内の泳ぎを凝視しながら、真剣なサポートを展開しています。

スタジアムグルメをムグムグしたり、酒をあおったり、陽気に応援歌を唄ったりするゆとりはありません。バナーやらゲートフラッグやらの掲出場所争いもたぶんない。「水中だと普通の応援は聞こえないので指笛を吹きますね」という、一般人の発想のひとつ先を行っているイルカみたいな人だけが集っている空間なのです。

しかし、今回は緩かった。非常に緩かった。何でしょう、これが世代交代の谷間というヤツでしょうか。特に運営まわりで非常にゆるーい空気感が流れており、「楽しいイベント」みたいな方向性すら感じさせます。やたらと中学生を推してくるのも、「どうぞ中学生をお楽しみください!」ということだったのだろうか。僕は光学30倍ズームのデジカメを抱えながら、押し寄せるゆるーい波にのまれたのです。チャプンチャプンと…。

ということで、堂々と撮影してきた画像などとともに、12日のNHK中継による「第91回日本水泳選手権」をチェックしていきましょう。

◆名前間違え!血液型紹介!エグザイル大好き人間!モニター破損!

連日のテレビ中継。僕はその様子を眺めながら、悶々としていました。こんなにありがたいイベントがやっているのに、家にいるのは勿体ないじゃないかと。天気のよい日曜日、急に思い立って向かったのは辰巳国際水泳場でした。コチラは2020年東京五輪でも水球会場として活用される方針のスタジアム。ここに未来ある中学生が集っている。水球の選手じゃないけど東京五輪世代の中学生がいる。夢が広がりまくりティーであります。

↓やってきました東京辰巳国際水泳場!


何もない埋め立て地にポツンと立つ孤高のアクアティックスタジアム!

「座席は少ないけど水球だから大丈夫でしょう」という若干失礼な検討の末に、2020年東京五輪でも水球会場として使用される予定だ!

↓今大会のポスターにもなっている岩崎恭子さんのフォト&名言が会場にも踊る!


うん、これは中学生がいそうだな!

豊作ザックザクの予感だな!

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僕は入場前に係の人をつかまえて尋ねます。「中学生の写真を撮りにきたのだが大丈夫か?」と。係の人は快くそれに応じ、「座席で撮っていただくぶんには構いません」というお墨付きをくれました。おお、ありがたい。大砲みたいなカメラを抱えた人間が周囲に見当たらないので若干不安になりましたが、堂々と撮影してもOKなようです。むしろ、堂々と撮影すればOKだそうです。

↓若干の不安を煽る入り口前の看板は、あくまでもヘンな動きへの牽制であるとのこと!



コッチももうフィルム使うカメラじゃないしな!

手の平サイズで光学30倍もズームがあるとは、そうそう気づくまい!

会場外には若干の企業ブースなどもあり、有名選手のサインが書かれたボードなども立てられています。若干の水泳グッズ販売、若干のスタジアムグルメ、若干の公式Tシャツ販売など、申し訳程度の出店も。さすがマックス4500人への対応です。メシが食いたければ近所にコンビニがありますよ、という潔い姿勢。両国国技館の近くのコンビニに相撲取りがたくさん並んでいる感じで、この日の辰巳最寄コンビニは日体大の生徒がズラズラと並んでいました。うむ、関係者大会という感じがして非常によろしい。

↓企業ブースでは妙にイヤらしい水着の販売もしています!


何かに似てるなと思ったら、飛脚でした!

アダルト佐川急便のユニフォームみたいです!

12日に実施されたのは男女1500メートル自由形、男女100メートル自由形、女子200メートル背泳ぎ、男子100メートルバタフライ、女子200メートル平泳ぎ、女子50メートルバタフライ、女子400メートル個人メドレー、男子400メートル個人メドレーの各種目。日本の大エースである萩野公介さん、渡部香生子さんの得意種目を最終日にもってくるなど、観戦意欲のわく設定です。

さらに、今大会のテーマが「今まで生きてきた中で、一番幸せです」というだけのことはあり、女子100自由形・女子50バタには中学生記録を連日更新している池江璃花子さんが登場。また、女子200背泳ぎには中学2年生の酒井夏海さん、女子200平泳ぎには今井月(ルナ)さんらが登場する。中学生⇒中学生⇒中学生⇒中学生⇒渡部⇒萩野という豪華リレーなのです。

場内はプール特有のムワッとした空気に満ち、少し汗ばむほど。僕は周囲の真剣な観衆とは一線を画し、まずは弁当をムグムグしながら1500自由形をノンビリと見守ります。しかし、ここで競泳は攻めてきた。エンタメ精神で攻めてきた。「1500自由形、15分くらいかかるからヒマですよね?」という関係者からの声が聞こえるかのような攻め具合。

まずBGMが攻めている。選手たちの力泳をサポートするかのように流れ出したのはヴァンゲリスの「炎のランナー」。さらに映画「ロッキー3」の主題歌であるサバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」。陸上だのボクシングだのプロレスだのといった「元気が出そうな」ベッタベタなBGMを鳴らしまくります。24時間テレビの終盤みたいな選曲方針です。

さらに攻めてきたのはスタジアムDJ。男子1500自由形では「第8レーンの仲家選手にご注目ください!」と言い始めたので、何か新記録でも出そうなのかと思いきや「仲家選手はO型のおとめ座です!」などの血液型&星座紹介をスタート。中学生の卒業アルバムみたいな情報を連呼し始めます。ついには「第7レーンの江原選手はエグザイル大好き人間です!」などという、いらない情報まで紹介し始める始末。「前からこんなんだったかな…?」「エグザイル大好き人間って失礼だろ」「あ、失礼と思うことはエグザイルに対して失礼でした」というモヤモヤが、鶏から揚げと一緒に僕のクチから飛び出します。

気を取り直して、中学生祭へ。まずは女子100自由形。日本記録保持者の4レーン内田さんと、その隣3レーン池江さんの争いに注目しつつ、僕は池江さんにカメラを向けます。日本記録に迫る争いとなりましたが、ここは貫録を見せた内田さんが勝利します。それでも池江さんはまたも中学新記録を更新。ただ、いずれも派遣標準記録には届かず、優勝した内田さんを含めて表情は沈痛なもの。このあたりは「厳しすぎる選考」を実施している競泳陣ならではでしょうか。

↓池江璃花子さんを前方から望遠で撮影する僕と、後方から接写で撮影するオフィシャルのカメラマンの共演!


どうでもいいけど、改めて考えるとケツにカメラ向けられるのってドキドキするなwwww

向けるほうも向けられるほうも緊張の関係www

↓女子200背泳ぎでは、未来の寺川綾さん誕生を祈りつつ酒井夏海さんをマーク!


酒井さんも準決勝・決勝と連続での自己ベスト更新!

伸び盛りで大変結構です!

つづいて望遠を構えたのは女子200平泳ぎ。勝ち負けで言えば、渡部香生子さんが順当勝ちだろうという種目ですが、こちらにも中学生の今井月(ルナ)さんが登場。カナコも地味に読みづらいけれど、ルナは完全に知らなきゃ読めない世界。さすが中学生年代、本格的にキラキラしています。ちょっとこれは「先月、来月、今井月」とかの応援バナーでも制作したくなる感じです。

↓3レーン、渡部香生子ちゃんの日焼けの跡が眩しい!


眩しいけど、何かが違うなwwww

「女子」「水着」「日焼けの跡」で想像するのと、まったく違う形状www

「これじゃない」感が半端ない!

↓改めて日本の第一人者と並ぶと、全然身体の作りが違う!


ガッシリしたカナコちゃん(左)と、まだまだ細いルナちゃん(右)!

日本第一人者のカラダを目指して、まだまだ成長途上だな!

このレース、スタートからリードを奪った渡部さんが日本記録に迫るペースで150のターンを過ぎ、身体ひとつぶんほどリードを奪う展開。しかし、最後の最後でカクッとペースが落ちたか、日本記録にはわずか0.18秒届かず。このあたりは4冠を狙って連日レースに出てきた疲労感もあったでしょうか。疲労をコントロールしながら、複数個のメダルを獲りにいく。日本女子のエースとしての高い視線が生んだ記録非更新だったかもしれません。

↓今井月ちゃんは派遣標準記録を突破しながらも3位で代表入りならず!


頭ポンポンするカナコちゃんと、悔し涙を流すルナちゃん!

カメラ持った気持ち悪いオッサンも、感動です!

つづいては女子50バタフライ。つい先ほど泳いだばかりの池江さんが、中学生チャンピオンを狙っての登場です。予選トップで勝ち上がってきた池江さんは、スタートからリードを奪うと、頭ひとつのリードを保ったまま一気にゴールへ。中学生での優勝は19年ぶりとのことで、リオそして東京へ向けて大きく期待感高まる日本選手権となりました。800メートルリレーでは世界選手権の代表にもなっており、より大きな舞台での飛躍にも期待したいところ。日本中から注目される熱い夏になりそうです。

↓優勝は素直に喜びつつも、予選よりもタイムが落ちたということで残念な表情も見せる池江さん!


この種目は派遣標準記録自体も遥か上だし、まだまだ伸ばしていかないとですな!

あと、優勝インタビューで「今まで生きてきた中で〜」をちょいちょい入れられるようになるとイイと思います!

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そんなこんなで中学生鑑賞を大いに堪能した僕。最後は日本の大エース萩野公介さんと、瀬戸大也さんの対決を見てシメといきましょう。レースはまさに実力伯仲の激戦で、まず瀬戸さんが得意のバタフライでリードすると、萩野さんが得意の背泳ぎですかさず逆転。しかし、両者とも自身の得意種目で大きなリードを築けません。すると、今度は瀬戸さん得意の平泳ぎで再び並びかけ、最後の自由形に勝負はもつれ込みます。

↓平泳ぎまでは非常に競り合った勝負に!


このまんま世界選手権の決勝で同じ展開をやっても不思議はない!

レベルの高い争い!

↓それが自由形の終盤ではこの大きな差に!


うーん、強い!ひきつけておいて、ためたチカラで突き放した感じ!

記録はもうひとつも、勝負に徹してライバル撃破し、見事に全日本4冠達成!

萩野4冠達成。さすが日本の大エース。ライバル瀬戸さんとて世界選手権の金メダリストなのですが、それを見事に退けました。中学生を見にきた僕ですら、この頂上決戦には目を奪われました。どちらが王者でもおかしくない。どちらも王者にふさわしい。そんな気持ちが会場全体に広がっていたかもしれません。そして、それはNHKのアナにも伝染してしまったでしょうか。直後の優勝インタビューでは、まさに「どっちも素晴らしい」という気持ちが大変な間違いを生んでしまったのです…!

↓優勝インタビューで萩野さんに対して「まず優勝しました瀬戸選手です!」と呼び掛ける名前取り違えが発生!
アナ:「まず優勝しました瀬戸選手です!」

(萩野さん「えっ!?」の顔)

アナ:「4冠達成です」

(萩野さん横にいる瀬戸さんを見て爆笑)

アナ:「今、笑顔がありますが、レースを振り返っていかがですか」


(笑顔の理由それじゃないです、の顔)

萩野:「そうですね……自分の名前はハギノって言うんですけど(笑)」


アナ:「失礼しました!萩野選手!」

萩野:「こうやって優勝することができてうれしく思います(笑)」

<画像:「ハギノですけど」の顔で苦笑する萩野さん>


もう、どっちがどっちでもいいって感じの報道陣www

空気緩みすぎだろwwww

↓どうでもいいけど、場内の電光掲示板もレース終盤に破損するなどグダグダの会場風景!


破損した結果、光が強くなりすぎて1レーンがギラギラして泳ぎにくそうな状態に!

最後にきてグダグダじゃないですかwww


↓着ぐるみのクビだけが落下するというトラブルも!



※失礼、生首ではなく、これで全身だそうです。
※ちなみに河童だそうです。
※会場では生首グッズも好評発売中です。

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こんな感じで、ロクに試合を見ないまま水着だけを凝視した中学生競泳水着祭は幕を閉じました。僕は彼女たちの中学生時代を目撃した、その想いを胸に東京五輪を目指していきたいと思います。やがて来る栄光のそのとき、僕は「みんなあの頃、若かったなぁ」と振り返るのです。網膜に焼きつけた眩しい中学生時代(※特に中2)の残像とともに…!

まぁもっとも、東京五輪の頃も彼女たちはまだ大学生なんですけどね!