さまざまな年代や立場から〈恋愛〉の側面を描いて話題の、高瀬隼子さんの短編集『新しい恋愛』。ライター羽佐田瑶子さんは自らを投影してどう読んだのか。書評エッセイをお送りします。「まだ、私のこと好きだし」が私を支えてくれる主人公・かな子の視点で、彼女に何年も想いを寄せる狛村くんの恋愛模様が描かれる「あしたの待ち合わせ」。狛村くんはかな子にはっきり気持ちを伝えず、SNSで彼女の行動を把握して、気配だけ嗅ぐよ