『源氏物語』の主人公・光源氏は、須磨に左遷させられるも、後に中央に返り咲く。古典文学の研究者である木村朗子さんは「紫式部を雇った藤原道長が光源氏のモデルと言われているが、道長の政治キャリアは終始、順風満帆だった。挫折があったという点では、道長の父・兼家のほうが光源氏と似た経緯をたどっている」という――。※本稿は、木村朗子『紫式部と男たち』(文春新書)の一部を再編集したものです。■通説では光源氏イコ