北朝鮮当局は昨年5月、各地に国家食糧販売所を開設した。元々、市場でのコメなどの穀物の売買は禁止されていたが、1990年代後半の「苦難の行軍」以降、なし崩し的に行われるようになった。市場に奪われた穀物の流通、価格決定の主導権を取り返すのが、販売所開設の目的だ。だが、思うように穀物が入荷しなかったり、質が悪かったり、買い占めて市場で転売して儲ける商人が現れたりするなど、当局の思惑通りに進んでいるとは言い難