北朝鮮の食糧事情は、前年に収穫した作物が底をつく春から初夏にかけて最も深刻となり、麦やジャガイモの収穫が始まる夏に幾分ましになり、コメやトウモロコシの収穫が行われる秋には豊かな季節が到来する――というのが、例年の流れだった。ところが、近年深刻化する自然災害などで、収穫量が年々減少。特に今年の場合は、コロナ対策としての貿易停止で、必要な営農資材が得られなかったことも重なりいっそう深刻な不作となった。