今季2勝目を逃げ切りで決めた申ジエ!(撮影:ALBA)

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<meiji カップ 最終日◇10日◇札幌国際CC島松C(6,473ヤード・パー72)>
 北海道にある札幌国際カントリークラブ島松コースを舞台に開催された国内女子ツアー「meiji カップ」の最終日。8アンダー単独首位から出た申ジエ(韓国)が5バーディ・1ボギーの“68”をマーク。トータル12アンダーまでスコアを伸ばして逃げ切り優勝を達成し、「ニチレイレディス」に続く今季2勝目を挙げた。

 磐石の逃げ切りだった。原江里菜、成田美寿々と共に最終組でスタートした申は、2番ホールで6メートルを沈めてバーディ先行。さらに4番ホールでは125ヤードのセカンドをピン1メートルにつけて楽々バーディとすると、9番、10番と5メートルのパットを立て続けに沈めて後続を引き離した。
 14番ではこの日唯一のボギーを叩いたが、1打のリードを持って臨んだ最終18番ホールでは残り80ヤードのサードショットをピン50センチに絡めるスーパーショットを披露。グリーンを取り囲んだ大ギャラリーの歓声を浴びながら、このウィニングパットを沈めて、今季2度目の逃げ切り優勝を完成させた。
 米国女子ツアーの会員資格を返上し、国内女子ツアーに主戦場を移した申は、6月の「ニチレイレディス」で4年ぶりとなる国内ツアー優勝を達成。シーズン序盤は慣れない日本での転戦ということもあり、思うような成績を残せない試合も多かったが、この優勝以後は2試合連続でトップ10フィニッシュ。そして今大会では早くも今季2度目の栄冠を掴み取った。
 「優勝は何回しても心がときめいて震えますね」。表彰式を終え会見場に現れた申は満面の笑顔で話した。申は、北海道入りする前に「ニチレイレディス」優勝を祝うパーティを開催してもらったこともあり、「応えないといけないと思いました」と最終日は並々ならぬ気持ちで臨んでいた。そんな中で成し遂げた今回の勝利は喜びも一塩だろう。
 また、普段から強いチャリティ精神を持つ申は、優勝副賞の「明治製品10年分」を「恵まれない子供たちや日本人の方に寄付したい」と考えていた。それもあって、「ぜひ勝ちたいと思っていて、自分の夢が叶って本当に嬉しいです」とこの日の勝利を喜んだ。ちなみに申は、2010年に韓国ツアーの試合で優勝した際にも、優勝賞金を寄付。「(ゴルフをする中で)いろいろなものを頂いているので、自分も何かを与えることができたら嬉しいです。これからも続けていきたいです」と話した。
 今回の優勝により、申の賞金ランキングは5位に浮上。シーズン後半の戦いでは同じ韓国出身で同世代のアン・ソンジュ、イ・ボミらと賞金女王の座を争うことになる。「今の感覚を維持しながら、まだ優勝したいと思います」。かつて世界のトップに君臨した女王が、日本での女王戴冠に向けて今日、強くアクセルを踏み込んだ。
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