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政府は2015年度からの5年間で、国家公務員の定員約30万人の10%を配置転換・削減する方針を閣議決定した。地方活性化や女性活用など、最優先分野に人員を集中させる一方で、総人件費も抑え、純減も確保するという。

○「大きい政府」と「小さい政府」とは

国家には、大きく2つのタイプの国家がある。「大きな政府」と「小さな政府」の国家だ。

「大きな政府」では、政府が市場への介入を行う。社会の平等と高福祉を目指す一方、個人の自由にはさまざまな成約も加わる(もちろん、高福祉である以上、国民の負担は大きくなる)。福祉国家とも呼ばれる北欧の国々がその典型だ。

一方「小さな政府」では、「平等」よりも「自由」が重んじられる。政府は企業の経済活動に必要最低限しか介入しない。経済的な弱者への所得の再分配を積極的には行わない。当然、国民の税負担や年金・保険などの負担は軽減される。その代わりに、医療や教育、年金費用などは「自己責任」の面が強くなる。近年のアメリカは、財政支出を減らし「小さな政府」に向かう傾向にある。政府が財政を再建をしようとすると、「小さな政府」の方向に向かう。国が行っていた業務を民間に移行したり、国家公務員の削減を行うなどスリム化を目指す。

今回、問題にしたいのは、タイトルにある素朴な疑問だ。

「大きい政府」と「小さい政府」と、どちらの国に住みたいですか?

簡単な問いのようであり、実は非常に難しい問いである。本来、国会などでは、細かな具体的な政策の議論も大切だが、今後、日本が「大きい政府」と「小さい政府」のどちらの方向にいくのか、大まかで構わないので、国家としての方向性や戦略性を議論してほしいと思うのだが、こうした重要な議論ほど、なかなか明快な答えは出されていない。

私自身も正直なところ、どうなっていくべきなのかはよくわからない。ただ、日本が急激な高齢化を迎えつつあるなかで、ある程度の経済発展も維持し続けていこうという方向にあるのであれば、「中くらいの政府」という、第三の道を選択するしかないのではないかと思っている。

あまり深い根拠の無い、ただ漠然とした個人的意見で申し訳ないが、みなさんは「大きな政府」と「小さな政府」の、どちらの国に住みたいと思われるだろうか?

<著者プロフィール>片岡英彦1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。