WebサイトやSNSごとに広告表示をオン/オフできるAdBlock Plus
Webサイトの広告をうるさいと感じるユーザーは少なくないようだ。そういったユーザーは、AdBlock Plusというツールを試してみよう。いつも見ているサイトの広告が激減するはずだ。ただし、いくつか副作用もあるので、利用には注意も必要だ。

●広告お断り! という人は試して損はない広告ブロックツール
GoogleやYahoo! JAPANをはじめとするWebサイト、LINEやFacebookなどのソーシャルメディアは、広告と切っても切れない関係にある。多くのサービスが無料で利用できるのは、これらのサイトやサービスが広告で収入を得ているからだ。最近では、Web上でのユーザーの行動を追跡し、広告の効果アップに活かそうとする動きも活発だ。

一方で、こうした広告表示を以前から嫌うユーザーも多い。また最近の広告のように自分の行動が追跡されるのを気持ちが悪いと感じるユーザーも多くなってきた。こうしたユーザーにお勧めなのが、Adblock Plusだ。Adblock Plusのページから、以下のプラットフォーム用のツールを入手できる。

Firefox、Google Chrome、Android、
Opera、Internet Explorer、Safari

このうち、Android用はアプリとして提供され、他はブラウザのアドインや拡張機能として提供されている。

実際に使ってみると、その効果は高い。次はGoogle Chromeで試したところだ。Adblock Plusをインストールすると、Facebookの広告が見事に非表示になった。他のWebサイトでも、かなり広告数が削減される。


Chromeによる通常のFacebookの表示



Chrome用のAdblock Plusをインストールして、Facebookを表示した。広告数が大幅に減った


ただしAdblock Plusは、効果も高いが、弊害も出るようだ。別のライターから、Android用のAdblock Plusを入れると、LINEの通話ができなくなり、スタンプが見られなくなるという指摘を受けた。このあたりは、一部の環境によっては副作用もあることを前提として利用して欲しい。

●ブロックした広告数の表示やブロック用フィルターの設定も可能
ブロックの有効/無効を切り替えたり、ブロックの強度を設定したりすることも可能だ。ブラウザによって、少し操作・機能が異なるので、ここではGoogle Chrome版を例に,
その使い方を説明しよう。

まず、Google Chrome版では、Adblock Plusが拡張機能のボタンとして表示される。ボタン上には現在のページでブロックした広告数が表示され、ボタンをクリックすると、これまでにブロックした広告の累計数を確認できる。また、[このサイトで有効]/[このサイトで無効]をクリックすれば、現在のサイトでのブロックの有効/無効を設定できる。設定は記憶され、次回以降の表示にも適用される。

[オプション]をクリックすると。ブロック用フィルターの設定が可能で、[要素をブロック]をクリックすると、HTML中の要素を個別に指定して非表示にすることもできる。
 なお、Internet Explorerでは、Adblock Plusボタンがステータスバーに表示され、ブロックした広告数の表示機能は用意されていないようだ。


Google Chrome版では、Adblock Plusのボタンにブロックした広告の数が表示される



ボタンをクリックするとパネルが開き、ブロックした広告の累積数が表示され、ブロックの有効/無効も切り替えられる



[オプション]を選択すると、フィルターの設定ができる



Internet Explorerではステータスバーにボタンが表示される


●サイトごとに「見る/見ない」をユーザーがコントロールできるようになるツール
Webメディアで記事を書いたり、広告原稿を書いたりしている立場としては、紹介するのは少々複雑なツールではあるが、広告を見たくないというユーザーの気持ちはよくわかる。マウスを乗せたら急に広告が大きくなって驚いたり、やたらと広告の多いサイトにうんざりしたりという経験は誰にでもある。Adblock Plusを使えば、こうした経験を確実に減らせるだろう。

一方で、広告が貴重な情報源になるケースも少なくない。ユーザーの関心に基づいて表示される広告は、ユーザー行動の広告利用というマイナスイメージもあるが、現実にユーザーに役立つ情報が提供されるケースも多い。
Adblock Plusの価値は、サイトごとに有効/無効を記憶できるので、広告の「見る/見ない」をユーザー側である程度コントロールできる点だろう。

Adblock Plus

井上健語(フリーランスライター)