「NYの新型タクシー」独占契約を勝ち取った日産、その優れているポイント

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日産はニューヨーク市と、タクシーを10年間供給する独占契約を結んでいる。同社の「NV200」のすぐれた点を紹介。

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日産は2011年5月、ニューヨーク市にタクシーを10年間供給する、約10億ドルの独占契約を勝ち取った(日本語版記事)。すべてのタクシー運転手に対して、次の新しい車を日産の「NV200」にすることを求める「Taxi of Tomorrow」プログラムだ。

当時のマイケル・ブルームバーグ市長は、タクシー業界の購買力を活かし(ニューヨーク市にはタクシーが13,000台以上走っている)、よりよい条件で車両を購入する方策として、この単独供給のプランを推進したのだ。

日産のNV200は最終的にこの契約を、フォードの「トランジット・コネクト」の改良版と、トルコのKarsan社の「V1」という2車種のヴァンと争い、タクシーでは初めてとなる「乗客用エアバッグ」や、USBポートと12Vコンセントの搭載、パノラマ式サンルーフといった特徴によって勝利した(NV200の内部と、NV200と契約を争ったフォード車等の写真を紹介している日本語版記事はこちら)。

NV200は2013年頃からニューヨーク市で利用され始め、毎年約3,000台のタクシーが入れ換わると推定されていたが、この「独占契約」には批判もあった。2013年10月、ニューヨーク州裁判所のシュロモ・ハグラー判事は、「市には、すべてのタクシー運転手に日産車を選ぶように命じる権限はない」とする判決を出した。そして今回、ニューヨーク州裁判所はその判決を覆した。市による命令は「法的に適切」だとし、実行を容認する判決を下したのだ。

ニューヨークのタクシー運転手たちが車を選ぶ権利を侵害されることは問題だと感じたり、あるいは、NV200がハイブリッドでない点が気に入らないという人たちはいるかもしれないが、NV200にはすぐれた性能がたくさんある。以下にまとめてみた(それでもNV200に乗りたくないという人は、Uberを使おう。あるいは、本物のニューヨーカーらしく、地下鉄を使おう)。

NV200は、いまニューヨークを走っている旧型タクシーである、フォードの「クラウン・ヴィクトリア」と比べて、横幅が約30cmスリム。市街地の燃費は23マイル/ガロン(9.8km/L)。ただし、あるタクシー運転手は約21マイル/ガロン(約9km/L)だと報告している。いずれにせよ、クラウン・ヴィクトリアの12マイル/ガロン(約5km/L)より格段にいい。3人乗りの後部座席は、豪華とは言えないが、短い距離ならばかなり快適だ。また、抗菌性のヴィニールで覆われている点も安心だ。座席は2列しかないが、その分、トランクや足元の前など、荷物を置くスペースが広い。居住空間は合わせて3.9立方メートルあり、(2列目を取り外せば)「Smart」が1台入る広さだ。後部座席に独立したエアコンがあり、乗客がエアコンを強くしたい場合も、運転手に頼んで操作してもらう必要がない。ルーフの内ばりにカーボンが使われており、タクシー特有の嫌な臭いを吸収する。USBポートと12Vのコンセントが2個ずつあり、乗客は携帯電話の充電もできる。パノラマ式のサンルーフが、光を採り入れる。斜にかまえたニューヨーカーも、ほかの斜にかまえたニューヨーカーに馬鹿にされずに、サンルーフからニューヨークのスカイラインを好きなだけ眺めることができる。

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