試合 :ロンドン五輪 グループステージ 第2戦
開催日:2012年7月29日
結果 :U−23日本代表勝利
スコア:「1−0」
得点者:永井謙佑

○ U−23日本代表

FW:永井謙佑
MF:大津祐樹 東慶悟 清武弘嗣
MF:扇原貴宏 山口螢
DF:徳永悠平 吉田麻也 鈴木大輔 酒井高徳
GK:権田修一

FW:大津祐樹
MF:永井謙佑 東慶悟 清武弘嗣
MF:扇原貴宏 山口螢
DF:徳永悠平 吉田麻也 鈴木大輔 酒井高徳
GK:権田修一

FW:永井謙佑
MF:齋藤学 東慶悟 清武弘嗣
MF:扇原貴宏 山口螢
DF:徳永悠平 吉田麻也 鈴木大輔 酒井高徳
GK:権田修一

FW:杉本健勇
MF:齋藤学 東慶悟 永井謙佑
MF:扇原貴宏 山口螢
DF:徳永悠平 吉田麻也 鈴木大輔 酒井高徳
GK:権田修一


日本に勝利の風が吹いてきましたね。そして、その風を吹かせているのが、やはり、守備の安定、という事だと思います。前半は、スペイン戦での疲労、それから、モロッコがどのような攻撃を仕掛けてくるチームなのか、そこを肌で感じる部分で対応できなかった、という事もあって、その時間帯にやられていたら勝利は難しかったかなと思うのですが、やはり、その時間帯を失点せずに凌ぎ切った、という事が大きかったと思います。

モロッコは、パワーとスピードを使って、個の力でゴリゴリとアタックしてくるような攻撃をするチームでしたが、もし今の日本がトゥーロン国際当時の守備力のチームだったら、前半で1失点もしくは2失点ぐらいはしていたかなと思います。しかし、OAの吉田と徳永が加わり、また、その他のUー23世代の選手たちにも、短い期間ながらの守備力(守備意識)の向上もあって、今ではもはや、安定した守備力が、このチームのストロングポイントになったかなと思います。

モロッコの1トップであったアムラバト。その強いフィジカルを活かしたボールキープには苦しめられましたが、しかし、そのアムラバトがボールを収めてから、そこからの攻撃のアイデアというのは、アムラバト個人としても組織全体としても欠けていて、そこは日本としては救われていた、という事はありました。また、そのアムラバトが後半で途中交代となり、それによってモロッコの前線の威力が落ちた事も、やはりそこは日本としては救われたかなと思います。

更には、何度かあった決定的なピンチのシーンを、やや神がかった守備で防いだ、という事もありましたが、しかし、その事に関しては、勝利に対しては必ず幸運も必要であり、むしろ、そういう幸運を呼び込める守備ができるようになっている、という評価でも良いと思います。攻撃力はそれなりに有る、しかし、守備力は脆弱、というチームから、攻撃力はそれなりに有り、守備力は安定、というチームへ強化された、それが今のUー23日本代表チームの姿かなと思います。

但し、安定感を一気に増している守備ではありますが、やはりまだ課題が無いわけではない。1つには、個としての1対1、そこでまだ負けているシーンも散見されていて、この試合の相手であったモロッコが、前述もしたように、アタッキングサードでの卓越したアイデアを持っていない相手だったから救われていましたが、決勝トーナメントに入ってからは、そこに威力を持っているようなチームと戦うと思いますので、とにかく1対1では絶対に負けない事、そこがポイントになってくると思います。

それから、2つには、CBとCBの間、SBとCBの間、そこを簡単にボールも人も通させてしまう、そして裏を取られてしまう、というシーンも散見されていましたので、そこはもっときちんとDFラインを横にもコンパクトにしておく、もしくは、そこの間のスペースをボランチが埋め、その場合にはトップ下が降りてボランチのスペースを埋め、という守備面の連携をもっときちんとやる、という事をやって欲しいと思います。