小笠原満男「お願いです。被災地で試合が見られるような配慮を」

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 Jリーグ選抜の一員として『東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン! SAMURAI BLUE(日本代表) vs. Jリーグ TEAM AS ONE』に出場する鹿島のMF小笠原満男は、大阪長居スタジアムでの前日練習後、自ら被災地へ足を運んだ時の記憶と、今後の取り組みについて考えていることを口にした。
「先日、家族と一緒に(出身地の)岩手県大船渡市と(妻の出身地である)陸前高田市へ行ってきたけど、自分が見た光景や被災地の皆さんが頑張っている姿は、絶対に一生忘れることができない」

「でも、被災された皆さんは、家がなくても、車がなくても、電気や水道やガスがなくても、なるようにしかならないと前を向いて生きていたんです。本当に大変なのはこれからなので、僕もサッカーを精いっぱい頑張りながら、継続して物資を送ったりしたい。今は被災地全般への救援が必要な時期だと思う」

「ただ、それが落ち着いてきたら、次はサッカーに関係した支援をしていきたい。昨日の夕食会場でもカズさん(三浦知良)、シュン(中村俊輔)、(中澤)佑二さんとかも賛同してくれたんです。個人で活動するのは限りがあるから、選手会に協力してもらって、いろいろな取り組みをしていきたい」

「仙台の選手からも話を聞いたけど、みんな何かしら大変な思いをしている。サッカー少年にはサッカーを取り戻してほしいし、そのためにはグラウンドを整備したりするお金も必要です。自分たちにできることを考えて、一つずつやっていきたい」

 そして、取材しているメディアに対し、被災地の現状を肌で感じる選手として、異例のお願いをした。

「僕たちは被災地に向けて試合をするんですが、まだ電気が通っていなくて、テレビを見られない人が多い。そこでメディアの皆さんにお願いがあります。この試合を、より多くの人に見てもらえる手段を考えてもらえませんでしょうか。被災地には家も電気もない人がたくさんいます。お願いします」

 時折、目を潤ませながら被災地の現状と自らの思いを語った小笠原。多くの人の思いが込められた復興支援チャリティーマッチは、3月29日19時20分キックオフとなっている。

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